なぜ5000mか?
5000mは長距離走の基本となる種目です。男子高校生はこの種目にメインで取り組むことになりますし、5000mの持ちタイムで走力を評価されることがほとんどです。 陸上競技経験のある方でも、市民ランナーとしてこの種目メインに取り組む方も多くいらっしゃいます。
一方、ジョギングからマラソンを走るようになった市民ランナーにとって馴染みの薄い種目かと思います。私も当初は5000mなんて苦しいイメージしかないし、興味もなければ走りたくもありませんでした。
しかし、ほとんどの市民ランナーの場合、マラソンで記録を狙うようになってくるとまずスピードがネックになってきます。多くの方の場合サブ3.5を狙うくらいからスピード練習が必要になってくるでしょう。もちろん過去の運動経験などからスピードが十分にある方はサブ3くらいまでスピード練習が不要かもしれませんが、ジョギングから入ったほとんどの方には必要なはずです。
そのスピード練習の成果を試す場として短い距離のレースに出るのがいいのですが、その中でも5000mのトラックレースが特にオススメなのです。
オススメする理由
5000mはIペースと高い相関がある
5000mのレースペースは練習でのIペースによるインターバル走とほぼ同じペースになります。マラソンがメインだとしても、Iペースを上げることは有酸素運動能の上限を上げることに繋がり、非常に大事です。
また、5000mの結果をVDOTに換算して他の種目のタイムもある程度予想することができます。例えば、私の現状の5000mPBはフルの2時間36分台に相当するので、やはりまだ35分切りを狙うにはスピードがやや足りないな、という感じで練習計画が立てやすくなります。
マラソンよりも結果が安定する
マラソンは長いので様々なトラブルが考えられます。しっかり準備できたと思えても、例えば予期しない痙攣などトラブル1つでも大きくタイムをロスしますので、タイムの分散はどうしても大きくなりがちです。
それと比較すると、5000mはトラック12周半で20分前後で終わりますし、マラソンの後半で起こるようなトラブルもほぼないので自分のそのときの実力がそのまま反映されると言っていいでしょう。もちろんピーキングの成功失敗等はありますが。
私は5000mを今まで9回走ってますが、予想タイムから±15秒くらいから外れたことは今のところ一度もありません。
ロードレースと違って環境に左右されにくい
ロードレースは公認大会でないと距離表示がそもそも怪しいです。また、風や路面、アップダウン等の要因でタイムが大きく変わってくるでしょう。
その点、トラックは距離は正確ですし、タータンで走りやすく、アップダウンも当然ながら一切なく、風も追い風、向かい風は等しく受けるのでロードよりも影響は少ないです。
体への負担が少ない
マラソンと違って5000mは体へのダメージが少ないので、翌日から普通に練習できます。何ならセット練もできるくらいです。
一定ペースで押す力を養える
5000mはマラソンの縮図とも言えます。前半突っ込みすぎると後半苦しくなりますし、普通は3000m過ぎから辛くなってくるのでそこを耐えるのがマラソンの30km以降と似ています。
そのためマラソンと同じく一定ペースで淡々と押していく方が記録が出やすいです。
それでもキツイのは嫌なんだけど・・・
ジョギングからマラソンを走るようになった方にとって、短い距離を速いスピードで走る練習は対極にあると思いますので走りたくない気持ちは私もよくわかります。
ただマラソンと違って耐える時間は短いですので、いざ走ってしまうと本当にあっという間に終わります。 前半はある程度貯める走り方をすれば、キツイのは3000m以降くらいですし、ゾーンに入れれば、気がついたらあと5周だった、なんて事もありますし。
タイプにもよりますが、私は前半抑えて後半上げていった方がタイムが出ることが多いです。
一流選手のレースを見るとラストスパートの能力が勝負を分けますが、市民ランナーは順位を競うことが目的ではなく勝負するのは自分自身ですのでラストスパートが全然なくても問題ないです。
まとめ
- マラソンで記録を狙うようになってくると常にスピードがネックになるよ
- スピード練習の成果を図るのに5000mは最適だし、レースも多いから走る機会は多いよ
- 5000mの記録から自分の現在の実力がわかるので練習計画も立てやすいよ
- トラック特有の面白さもあるので走ったことがない人も一度は走ってほしいよ
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