【ダニエルズ式】サブ50(サブエガ・2時間50分切り)練習例

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目標タイム別練習法
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今回はサブ50の攻略法についてです。サブ3を達成した方が前提なので、既に練習でも質の高いスピード練やロング走をこなしていることと思います。

サブ3まではそれぞれの練習の目的を深く考えないでも達成できた、という方もいると思いますが、多くの方にとってサブ50から先は練習の目的をしっかり把握して練習計画を立てられるかどうか、が重要になってくると思います。

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サブ50というステータスについて

さて2時間50分切りですが、サブ3を達成しても物足りなくなったランニングジャンキーの皆さまが目指す壁になると思います。俗には某芸人の芸名から取って「サブエガ」と呼ばれたりもしますが、私は好きな表現ではないので使いません。

この壁を破ったからといって出れるレースが増えるわけでもないのですが、2時間40分台か50分台かはガチランナーにとって大きな分かれ目とも言えます。興味のない方一般の方からしたら大きな差はないので、どっちでも「やべぇやつ」認定でしょうが。

余談ですが福岡国際マラソンのBグループが新設された初年度は2時間50分切りが参加資格でした。その後すぐに45分になり、その後は42分→40分→35分と変遷していったわけですが、この参加資格の厳格化は近年のランニングブームによって市民ランナーのレベルが著しく向上したことが一因ですね。

ご参考までに私のサブ50達成例はこちらの記事をどうぞ。

サブ50の難易度

まず難易度について。ランナーズが2015年に行った調査によれば男性は1%強だったようです。サブ3が約3%ですので、そこから2/3近くが脱落したことになります。これはおそらく、サブ3を最終ゴールとして設定している方が多く、そもそもそこから先は目指す気がない、という方が多く含まれているためだと思います。

私も同じでサブ3で一旦燃え尽きてそこから先を狙うモチベーションは当時ありませんでした。というのもサブ3から先の目標って完全にエンドコンテンツ状態で、サブ50、サブ45、サブ40を達成したからといって新たな大会に出られるということもなく、完全に自己満足の世界なんですよね。マラソンで自己記録を追い求めるというのがすでに自己満足というのは置いておいて。

話が逸れましたが、ともかくサブ50はサブ3から先の泥沼に足を踏み入れて最初に当たる大きな壁だと思います。

サブ50のVDOTとその練習ペース 

サブ50のVDOTは57.3になります。

サブ50の練習ペース(VDOT57.3)
Rペース3’16″/km
Iペース3’31″/km
Tペース3’48″/km
Mペース4’02″/km
Eペース4’35″/km-4’53″/km

ダニエルズの練習ペースについては以下の記事も参考にして下さい。

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各ペースの到達度確認と達成のための練習

第一段階:Rペース

まずR(Repetition)ペースから見ていきましょう。3’16″/kmとかなり速いですね。1500mなら4分50秒台に相当しますので、スポーツテストの持久走なら10点満点が取れるレベルです。学生時代で非陸上部が1500mを4分台で走れたら「やべぇやつ」認定ですね。つまりそういうレベルです。

おそらくサブ3に到達するまでの練習でここまで走れるようになっている、という方も多いと思いますが、届かない場合は78″/400mを目標にしたレペティションを繰り返し、スピードを出す体の動かし方を体に染み込ませましょう。

第二段階: Iペース

次にI(Interval)ペース。 3’31″/kmのインターバル走がこなせるレベルが必要です。これは5000m17分半レベルに相当するVO2maxが要求されますので、スピードがない方にとってはかなり厳しい設定だと思います。

私が持ちタイム2時間55分のときはこの練習はこなせなかったので、3’40″/kmから徐々に設定を上げていきました。最終的に3’30″/kmを切るような練習ができるようになったのは2時間45分台を出してからですね。それくらい厳しい設定です。

スピードタイプの方の場合はそこまで苦労はしないと思いますが、次のフェーズ以降でおそらく苦労されると思うので、Iペースをもう一段階上げてもいいかもしれません。

第三段階:Tペース

ここからスピードに加えて持久力が問われるフェーズです。T(Threshold)ペース3’48″/kmで20分走が練習のベースとなります。3’50″/kmを切ってきますので、サブ3を狙ってた頃のIペースに近いスピードを20分維持しなければならず、きつい練習になるかと思います。

この練習が苦手な場合は1.6kmや2km等に分割したクルーズインターバルもオススメです。

第四段階:Mペース

いよいよ仕上げとなります。サブ50ペースである4’02″/kmで30km走ができるかどうか。おそらく現実の練習ではキロ4を常に意識することになるかと思います。

このキロ4での30km走は単独でやるのはしんどいことも多いと思うので、厳しい場合は練習会などに参加するのも手です。目指すレベルが上がれば上がるほど、Mペースでのロング走は体のダメージも大きくなるし、心理的な負担も大きいので難しくなってきます。

Mペースの生理学的な練習効果はEペースと大差なく、主に脚作りと精神的に自信がつく効果が大きいです。そのため本番でしっかり疲労が抜けていれば全然走れる、という意識が持てれば、多少はMペースから落ちたとしても問題ないと思います。自信をつけるという効果を最大限得るにはやはりレースペースでしっかり走り切るというのは重要ですが、必須条件ではないです。

全フェーズと並行してEペースでのジョグ

普段のジョグはE (Easy) ペース4’35″/km-4’53″/kmくらいを目標にしましょう。

疲労があまりなければキロ4分半くらいで走って、疲労が強めならキロ5分近くまで落とすイメージです。もはや全然Easyじゃねーよ、と大半の方は思うと思いますが(Mペースよりは)全然Easyだな、という感覚で走れていれば次第に楽になっていくはずです。

上記全てをクリアしてもサブ50達成できない場合

上記各フェーズを練習で全て達成できれば、レース本番ではサブ50を達成する確率はかなり高いはずです。もしダメだったとしても、ここまでサブ3を達成された方なら、何がダメで達成できなかったのかを分析する力は十分にあることでしょう。

自分の強み・弱みを分析しつつ各練習ペースをアレンジして、再度目標達成に向けて挑んでみてください。

練習例

週間練習パターン

  • 月:Eペース走14km(4’30″/km)
  • 火:休足
  • 水:ポイント練1
  • 木:Eペース走14km(4’50″/km)
  • 金:休足
  • 土:ポイント練2
  • 日:ポイント練3 or Eペース走14km (4’50″/km)
  • 週間70km~90km

ポイント練(スタミナタイプ)

レース4ヶ月前400mレペティション(78″/400m)
レース3ヶ月前1000mインターバル走(3’38″/km)
レース2ヶ月前1000mインターバル走(3’33″/km)
20分テンポ走(3’53″/km)
30km走(4’15″/km→4’00″/km)
レース1ヶ月前20分テンポ走(3’48″/km)
30km走(4’05″/km→4’00″/km)

ポイント練(スピードタイプ)

レース4ヶ月前 1000mインターバル走(3’33″/km)
レース3ヶ月前 1000mインターバル走(3’28″/km)
20分テンポ走(3’53″/km)
レース2ヶ月前 20分テンポ走(3’48″/km)
30km走(4’15″/km→4’05″/km)
レース1ヶ月前30km走(4’10″→4’00″/km)

例によってポイント練に関してはスタミナタイプの方とスピードタイプで分けてみました。必要なポイント練も増えてくるでしょうから、週2で足りない場合は週3でポイント練を設定するのも考慮に入れるべきだと思います。2日連続のセット練、ダニエルズ先生に言わせると「バック・トゥ・バック」ですね。

ちなみに私のサブ50体験例では、インターバル、ロング走が中心でテンポ走はほぼやってなかったです。代わりにビルドアップ走をやっていましたが、これがLT強化も兼ねていたと思います。

平均的な練習量としては、週間70km~90km、月間280km~350km超あたりが目安になるかと思いますがもちろん個人差があります。私も2時間45分台を出したときは月間350kmくらいは走っていたと思います。

まとめ

  • サブ50を超えてもご褒美はないけど、サブ3を超えたランナーにとっては精神的に重要な節目だよ
  • スピードもかなり必要で5000m17分台はほしいよ
  • ロング走はキロ4が目安になるけど、練習会でもほぼ設定されるペースなので積極的に活用したいよ

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