人類はサブ2の夢をみるか?

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雑記
出典: https://www.runnersworld.com
この記事は約5分で読めます。

ご存知の方も多いと思いますが、マラソンの歴史を塗り替えるかもしれないイベントが2019/10/12(土)に開催されます。

そのイベントは「INEOS 1:59チャレンジ」。

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INEOS 1:59チャレンジとは

マラソン界最強のエリウド・キプチョゲ選手が人類初の2時間切りを狙うプロジェクトです。
INEOSってなんじゃいとほとんどの方は思うと思いますが、INEOSはイギリスに本社を置く化学会社で、このイベントのメインスポンサーです。創業者が世界屈指の富豪で、サイクルチームの強豪であるチームSKYを引き継いで、チームINEOSとしてツール・ド・フランスでも優勝したり、サッカー・プレミアリーグのチェルシーの買収も狙っているようです。

このイベントについてはSUSHI MANさんの記事がよくまとまっているので以下の記事をご覧ください。

403 Forbidden
403 Forbidden

前回のサブ2プロジェクト

さて、ご存知のようにマラソンでサブ2を狙うプロジェクトは以前にもありました。 2017年5月に行われたNike Breaking 2プロジェクトです。

キプチョゲ選手、タデッセ選手、デシサ選手3人がサブ2に挑戦しましたが、ハーフまで残ったのはキプチョゲ選手のみで、そのキプチョゲ選手も35km以降失速し、サブ2まで26秒届きませんでした。ただそれでも当時の世界記録を2分半以上上回る2時間0分25秒という記録のインパクトは凄まじかったです。

ただし周回コースでペースメーカーを交代させるなどが理由で公認記録にはならず、非公認扱いでした。今回もこの交代方式を採用するので非公認記録になってしまいます。

このレースで使われたのがヴェイパーフライのプロトタイプで、その後、市販されて爆発的に売れたのは記憶に新しいところです。 Breaking 2に関してはNational Geographicのドキュメンタリーが素晴らしいので見たことがない方はぜひご覧ください。

今回キプチョゲはサブ2を達成できるのか?

私の個人的な意見ではサブ2の可能性はかなり高いと思っています。前回のBreaking 2での経験を踏まえて様々な改良があるのが大きな理由です。

キプチョゲ本人の進化

キプチョゲのBreaking 2開催時の持ちタイムは2時間3分台でしたが、昨年2時間1分39秒の世界記録を出したのは記憶に新しいです。ヴェイパーフライを使っていたとはいえ、後半ペースメーカーなしの単独走で打ち立てた記録ですのでペーサーが30kmまで機能して、さらに30km以降も競り合いになればもっとすごい記録が出ていたでしょう。

今回のイベントではペースメーカーが交代で隊列を組んで風よけとして機能しますし、論文等によればこの効果がかなり大きいようで、ランニングエコノミーを6.5%改善するようです。ヴェイパーフライ4%以上の効果ですね。この風よけ効果で100秒以上のアドバンテージはあると思います。

安定感についても、キャリア通算でマラソン12戦11勝、現在10連勝中と驚異的な成績ですので、ここまで安定した成績を残せた選手は歴史上他にいません。

また、練習についても今年のロンドンマラソンまでは週間190km-210kmくらいの練習量だったようですが、INEOS 1:59に向けて200-230kmに増やしているようです。

人類初のサブ2ランナーになるという夢のため、モチベーションもオリンピックや世界記録並に高いと思います。

そして何よりも前回の経験があるのが非常に大きいです。

シューズの進化

前回はヴェイパーフライ Eliteのプロトタイプでしたが、 今はそれよりも1%ほどランニングエコノミーが改善したとされるNext%に進化しています。また、噂レベルですが今回も 新シューズのお披露目があるかもしれません。

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The shoes!

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噂ではAlphaFlyと呼ばれているシューズのようで、キプチョゲ選手が最近の練習で着用しているのが確認されています。もしこの新シューズを使ってサブ2が達成されればヴェイパーフライと同様にNikeとしては大きな宣伝になるでしょうね。

なおこの新シューズに関連すると思われる特許も出願されており、以下の記事で詳しく書かれています。

A Breakdown of the Nike Kipchoge Prototype Shoe
We break down the Nike shoe prototype seen on Eliud Kipchoge as he ran the fastest marathon ever in 1:59:40 at the INEOS 1:59 challenge in Vienna, Austria.

これを見るとバネを仕込んでいる感じですね。国際陸連のシューズ規定は曖昧な書き方をしているので、Nikeの開発担当者はこのシューズもOKという認識なんでしょう。さすがにやりすぎな気もしますがどうなんでしょうね。

いずれにせよ、当日のキプチョゲの足元に注目です。

その他の改善要素

先程のSUSHI MANさんの記事にまとめられていますので、概要だけ紹介します。

  • コースのアップデート
    フラットな往復9.6kmの直線コースで折返しもラウンドアバウト。時差もケニアと1時間。
  • ペーサーのアップデート
    前回は3人の選手に対して分散してサポートしていたが、今回はキプチョゲ1人を全員でサポートできる
  • 湿度のアップデート
    前回は前日の降雨の影響で湿度が高めであり、それが後半の失速につながった可能性がある。今回は前日の降雨なしでこの条件はクリア
  • クローズドイベントからオープンイベントへ
    前回は関係者しか観戦できなかったが、今回は大観衆による応援が受けられる

まとめ

10/12はマラソンの歴史が塗り替えられるかもしれない日です。YouTubeでLive配信がありますし、日本はちょうど台風が直撃しますので、安全が確保できて時間がある方はぜひ視聴してみて下さい。

スタートは日本時間の15時15分で決定のようですね。楽しみです。

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ごっきー
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