ヴェイパーフライ以前に発売されていたバネ入りシューズ

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Spira(スパイラ)というシューズメーカーをご存知でしょうか。知っている方はかなりのシューズマニアかと思います。

実はこの会社、ヴェイパーフライが出る10年以上前からバネ入りシューズを販売していました。そんなSpiraのバネ入りシューズについて調べてみたらいろいろ面白かったので紹介します。

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Spiraって?

Spiraは弁護士でもあるAndy Krafsur氏によって2001年にアメリカで設立されたシューズメーカー。特許技術のWaveSpring技術を有し、バネを入れたシューズを販売していました。それがこちら。

ヴェイパーフライのような板バネではなくコイルばねを使っていますが、似たような構造ですね。ただ重さが300g近くあったようで重く、シューズとしてのパフォーマンスは微妙だったようです。

このシューズも面白いのですが、それだけではなくシューズの宣伝方法が物議を醸したようです。その騒動についてはLetsRunの共同設立者であるWejo氏の記事が秀逸です。

Spira Shoes Update

禁止されていない禁止シューズ

Spiraは2006年のボストン・マラソンで、「このシューズがUSATF(全米陸上競技連盟)によって禁止された」と宣伝し、このシューズを履いて優勝した選手に$1,000,000をプレゼントするという「Banned in Boston」キャンペーンを行いました。

一見わけがわかりませんが、ようは炎上商法です。禁止されるほどすごいシューズだぜとアピールすることで宣伝効果を上げようとしたわけです。そしてこの炎上商法はある程度成功して、売上はかなり伸びたようです。

実際、今回のヴェイパーフライについても、禁止されるかもしれないという噂だけでワイドショーにまで取り上げられるほど話題になりましたし、とんでもない宣伝効果があったと思います。実際ほとんど走らないような人たちですら欲しいと話題にするレベルですから。

ところで、当時のIAAFやUSATFのルールには「バネなどの不公平な利益を与える技術の組み込み」が禁止と明確に書かれていましたが、Spiraのシューズについて は何の対応も取っていませんでした。つまり黙認されていたわけですね。この理由については憶測ですが、バネは入っているけど不公平というほどアドバンテージは無いから放っておいていいだろう、という考えだったのかもしれません。

ちなみに「Banned in Boston」キャンペーンの達成者は現れませんでした。

その後、SpiraはIAAFとUSATFを相手に訴訟も起こします。その訴訟理由は「シューズが禁止されて取引が制限された」というもの。繰り返しになりますがUSATFからは何のアクションもなく特別禁止されていたわけではありません。つまり禁止されていないのに「不当に禁止されて不利益を被ったから賠償を請求する!」という無茶苦茶な論理で、完全に宣伝目的の訴訟です。

ここでUSATFは公式に「禁止していない」と宣言し、この訴訟は却下されたようです。

また、Spiraはこのシューズを履いて10kmで400m下るコースで26’01″の非公認世界記録を出したと宣伝しています。箱根6区みたいな斜度ですからこの記録にあまり意味はないのですが、やり方がどこかのN社と似てますね。

その後のSpira社ですが、大きなヒット商品は出せず2016年にひっそりと他の会社に買収されました。いまでもサイトはあるし販売も続けているようなのでブランドとしては維持されているんですかね。

ちなみに奇しくも2016年はヴェイパーフライのプロトタイプであるメイフライがリオ五輪のアメリカ予選でひっそりと使われ、五輪本番でもメイフライを履いた3人が上位を独占するという結果だった年ですね。

Spiraのバネシューズはなぜ禁止されなかったか?

前節でも書きましたが、「バネは入っているけど不公平というほどのアドバンテージは無かった」から黙認されていたのが現実でしょう。過去のレビューを漁ってみるとそこまで悪い評判はない感じですが、特段良いというものでもなかったようです。

ちなみに論文でも検証されており、他のシューズと比較してVO2が35.34→34.67に低下したようです。約1.9%の改善なので、スティンガー2%と名付けてもよかったかもしれません。

Mechanical spring technology improves running economy in endurance runners | Riess | Journal of Human Sport and Exercise
Mechanical spring technology improves running economy in endurance runners

一方、ヴェイパーフライは使用していない人と比べて明らかに不公平と言えるほどのアドバンテージがあるわけですから、当時のルールに照らし合わせればおそらく初代ヴェイパーフライの時点でIAAFから何らかのアクションがあってもおかしくなかったのではないでしょうか。

ここまで野放しにしてしまったのは明らかに失敗だと思います。

まとめ

  • ヴェイパーフライが出る10年以上前にSpiraという会社がバネ入りシューズを出していたよ
  • 禁止されていないのに禁止されたとアピールする炎上商法をしていたよ
  • ルールに抵触するのに禁止されなかったのはそれほどアドバンテージがなかったからだと考えられるよ
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ごっきー
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