コロナショックで一般の部がなくなってしまった東京マラソン2020。政府からの大規模イベント自粛要請などもありましたが、エリートの部はなんとか開催される見込みです。
今回は東京五輪マラソン男子代表の3枠目を決めるMGCファイナルチャレンジ第2戦ですが、コース的に福岡・東京・びわ湖の中で東京が一番タイムが出やすいこともあって有力選手が集結しており、実質このレースで3枠目が決定するのは間違いないでしょう。
中継では日本人選手が注目されるとは思いますが、WMMとして世界の有力選手が集結しており、第一集団のペースメーカーは2’55″/km前後(2時間3分切るくらい)で進むようですから、国内初の2時間2分台のレースも見れるかもしれません。
そんな東京マラソン2020の展望をまとめてみようと思います。
男子優勝争い
本命は前回覇者のビルハヌ・レゲセ選手(エチオピア)。前回のあの低温冷雨の悪コンディションで2:04’48″で走っており、昨年のベルリンマラソンでは2:02’48″で走りました。
そのベルリンマラソンで2:’03’34″の3位に入ったシサイ・レマ選手(エチオピア)は2時間2分前後をターゲットタイムにしており、好調なようです。
また昨年のドバイマラソンの覇者(2:03’34″)のゲタネ・モラ選手(エチオピア)も注目。おそらくこの3人が軸に優勝争いが展開されると思われます。
レゲセ選手とモラ選手は2:03’30″~55″あたりをターゲットにしているようで、ペースメーカーが抜けてからはレマ選手が引っ張る形になると思われます。
他にも2時間4分~5分台のタイムを持つ選手が7人おり、過去3度の優勝経験があるディクソン・チュンバ選手(ケニア)や日本でもおなじみのビダン・カロキ選手(DeNA)にも注目ですね。
女子優勝争い
前回覇者で2時間18分台の記録を持つルティ・アガ選手と、同じく18分台のタイムを持ち2018年の覇者のベルハネ・ディババ選手を軸に優勝が争われるでしょう。
コースレコードは2017年のチェプチルチル選手の2:19’52″ですが、有力選手の多くはこのタイムを破ることを目標にしているようで、この記録が破られる可能性は高そうです。
ペースメーカーは3’18″/km(2:19’15″)で進むようです。
日本人男子
今回のメインイベントです。
まずおさらいすると、五輪代表の3枠目に選ばれるにはMGCシリーズを走っていてかつ2:05’50″(日本新記録相当)で走らないといけません。この設定タイムを超える選手がいない場合はMGC3位の大迫選手が代表内定となります。
今回はその大迫選手もエントリーしており、自らの日本記録更新に自信があるようですので楽しみです。大迫選手は本番ではアルファフライを着用するようです。対抗として挙げられるのがやはり設楽悠太選手と井上大仁選手。
設楽悠太選手は最低目標を2:06’10″(PB更新)としており、2時間4分台も視野に入れています。ちなみにアルファフライは使用しないようです。ヴェイパーフライNext%の方が合うという選手も多いみたいで、設楽選手もそうなのでしょう。
MGCでは優勝候補に挙げられながら完走した選手の中では最下位に終わった井上大仁選手は目標タイムを2:04’30″としています。NY駅伝では4区で区間新、ハーフマラソン日本新記録相当で走っており調子は良さそうです。また井上選手は従来アシックスを使用していましたが、MGC後にヴェイパーフライNext%を使用して好調を維持しており、今回はアルファフライを着用するようです。
実はアルファフライが正式にリリースされたときに一番懸念したのは、Nike契約の大迫選手と設楽選手がアルファフライを履けて、正式に契約していないと思われる井上選手が履けないのではないかということだったのですが、全米トライアルで全員に無償配布したように国内の有力選手については契約選手でなくてもアルファフライを支給しているようですね。
3人のシューズについてのソースはこちらから。
他の有力選手については、村山謙太選手(旭化成)、山本憲二選手(マツダ)、佐藤悠基選手(日清)、大六野選手(旭化成)、そして先日の丸亀でハーフ日本記録を更新した小椋裕介選手(ヤクルト)などが挙げられるでしょう。
このうち村山謙太選手は第2ペースメーカーの2’58″/kmペース(2:05’11″)でいく予定のようです。
小椋選手は控えめに2:08’くらいを狙うようですが、丸亀の走りからしたら第2ペーサーにつける力はあるような気がしますが果たしてどうなるか?
ちなみにTwitter上で行われた海外ファン中心のアンケートでは6割ほどが東京マラソン2020で日本記録が更新されると考えていて、それを達成するのは大迫選手が40%前後、設楽選手が30%前後、井上選手が20%前後、その他が10%前後という結果でした。
日本人女子
女子はMGCシリーズではないので有力選手は翌週の名古屋ウィメンズマラソンに集結します。
エリート選手以外の見どころとしては、1月の大阪国際マラソンで2時間26分台で走った最強市民ランナーの山口遥選手がさらにPBを更新できるかに注目が集まります。
ただ、今回はエリートの部のみのため、いつも通りなら男性の市民ランナー上位選手が多いこのあたりのゾーンに人がおらず、単独走になってしまう可能性も高そうです。
まとめ
- いろいろあったけど東京マラソン2020エリートの部は開催されるので楽しみだよ
- 男女ともコースレコードの可能性はかなり高く、男子は国内初の2時間2分台も見れるかもしれないよ
- メインベントの日本男子選手について、日本記録更新は簡単ではないけど可能性は高そうなので、誰が五輪代表の3枠目を勝ち取るのか楽しみだよ
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