VO2maxインターバルの効果的な継続時間は3分~5分間と言われています。一方、トレーニングの現場では400mのインターバル走も広く行われています。400mの疾走時間は速くて1分程度、遅くても2分くらいなので、理想的な継続時間よりは大分短いように思えます。
それでもなおこの練習を取り入れる選手は多くいると思います。今回はこの練習について考察してみます。
400mインターバルの歴史
オリンピックで5000m、10000m、マラソンの長距離種目完全制覇を成し遂げたチェコの伝説的ランナー、エミル・ザトペック選手は毎日400m x20本(レスト200m)を行っていたそうです。その後、彼は400m x40本に増やしたようです。このザトペック選手の練習が広まり、世界中の選手が取り入れるようになりました。
また元1マイル走の世界記録保持者のジム・リュン氏も高校時代からこのトレーニングを取り入れて世界記録を出すまでに至りました。
400mインターバルを取り入れている有名選手
現代でこのトレーニングを取り入れている有名な選手として、まずエリウド・キプチョゲ選手の名前が挙がるでしょう。キプチョゲ選手は400m x 25~30本を62″~64″で疾走しレストは30″~60″で行っているようです。またキプチョゲ選手は800m x10(2’10”)と400m x10(62″~64″)という練習も行っているようですね。
他にもモー・ファラー選手、ポーラ・ラドクリフ選手、ケネニサ・ベケレ選手、マット・セントロウィッツ選手なども400mインターバルを取り入れています。錚々たるメンツですね。
走り方
さて、ザトペック選手が行っていた40本という数ですが、距離にして16000mなのでかなりのハードトレーニングです。毎回の400mを全力で走っていてはとても維持できないでしょう。つまりこの本数をこなせるようなペース、実際にはVDOTのIペース付近で走っていたと思われます。
ダニエルズ先生は400mインターバルのやり方として2分回しを推奨しています。疾走が80秒ならレスト40秒ですね。ペースとしてはIペースで、1km等のロングインターバルと同じスピードです。この疾走とレストのバランスによって、心拍数が高い状態を維持し、3分~5分の疾走によるインターバルと同等の負荷を実現しています。
キプチョゲ先生の設定を見ても、ほぼダニエルズ先生による400mインターバルの設定と同じだということがわかりますね。
私の場合、400mインターバルは1200mのインターバルより若干速く走れるので、次のレベルの1200mインターバルに挑戦する前の練習として行うことが多いです。
まとめ
- 400mインターバルは長い歴史があって現代のトップ選手でも取り入れているよ
- VO2maxの刺激時間を長くするために、レストは短めにするよ
- ロングインターバルより速く走りたくなるけど、本数が多い場合は最後まで維持できそうなロングインターバルのスピードでも十分だよ
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