今回はサブ3.5の記事です。サブ4を達成した方にとって次に目指す大きな節目になるかと思います。
サブ3.5というステータスについて
サブ4やサブ3と比較してサブ3.5というステータスは地味です。ただ別府大分毎日マラソン(通称:別大)のカテゴリ4の参加資格となるため、意識する方は多いと思います。私は走ったことがありませんが、別大と言えば多くのガチ市民ランナーが集結することで有名ですね。その登竜門となるサブ3.5はやはりそれだけの難しさがあります。
私のサブ3.5体験談は以下です。
サブ3.5の難易度
まず難易度について。少し古いですがランナーズが2015年に行った調査によれば男性は11.6%、女性は3.1%ということでした。女性の達成率の割合は男性のサブ3に匹敵する数字ですが、実際の難易度的には男性の3時間10分くらいに相当します。サブ4の記事で言及したように過半数を占めるファンランナーが含まれている統計ですので、ランニング習慣のある方に限ればこの数倍はあるかと思います。
サブ3.5を達成するためには平均ペースでキロ5分を切らなければならず、ジョギングから入ったらほとんどのランナーにはかなり速く感じるペースかと思います。そのため、一部の才能に優れた方を除けばかなりの方がスピードを意識した練習が必要になります。
サブ3.5のVDOTとその練習ペース
サブ4のときと同様にサブ3.5の設定をダニエルズ計算機に入れてみましょう。
ダニエルズの練習ペースについての詳細は以下の記事も参考にして下さい。
各ペースの到達度確認と達成のための練習
第一段階:Rペース
まずR(Repetition)ペースから見ていきましょう。1kmを全力で走って3’58″/kmを切れるかどうかが一つの判定材料です。ついにキロ4分を切ってきました。キロ4分はサブ3を狙う人でも5km程度しか走れないスピードになりますので、かなりのスピードになります。私の経験でも、このキロ4分を切るというのは一つの目安であることは実感しています。
もし全然届かないのであれば基礎スピードが足りない可能性が高いです。長距離の練習に入る前に、400m:95″を目標にしたレペティションを繰り返し、体をキロ4分以内のスピードに慣らしましょう。
サブ4を狙うフェーズではレペティションなんてやらなかったし、必要性も感じなかった、という方は多いと思いますが、サブ3.5を狙う段階になってくると多くの方が必要な練習かと思います。速い動きを体に叩き込むことにより、ランニングエコノミーの向上が期待できるので、苦手だと思ったらしっかり取り組みましょう。
第二段階: Iペース
次にI(Interval)ペース。 1kmを4’13″/km以内で走って3分休憩を1セットとしてそれを5本できるか試してみましょう。ここまでできるのであれば、サブ3.5に向けては十分なスピードがあると言えます。このスピードは5000m換算で21分程度のスピードになりますのでかなり速いです。やはりこの練習も壁になる方は多いと思います。
できない場合は、5本しっかり揃えられるペースから始めて、何週間か続けてから徐々に設定を上げていきましょう。6週間続けても速くならない場合は一つ前のフェーズ(ここではRペース)が十分でない可能性があるので、そこまで戻って短い距離の余裕度を上げる必要があると思います。
スタミナ型の方は特にここが正念場ですが、ここを超えられればサブ3.5が見えてきます。
第三段階:Tペース
ここからスピードに加えて持久力が問われるフェーズです。T(Threshold)ペース4’35″/kmで20分走りきれるかどうかを試してみましょう。スピードタイプの方で第二段階は超えられてもここで引っかかる場合は、Iペースのインターバル設定を少し上げて4’30″/kmとかでやるのも手です。スピードの天井が上がればそれより遅いペースは相対的に楽になるはずです。
第四段階:Mペース
いよいよ仕上げとなります。サブ3.5ペースである4’58″/kmで30km走ができるかどうか。スタミナタイプで第二段階を超えた方はおそらく無難にこなせると思います。
一方、スピードタイプの方にとってはここが正念場。きつい場合はEペースのジョグ量を増やしてみるのも手かもしれません。
全フェーズと並行してEペースでのジョグ
普段のジョグはE (Easy) ペース5’30″/km-5’51″/kmくらいを目標にしましょう。キロ6分を切ってきましたので、お気楽にジョギング、という感じではなくなってきます。
サブ4の記事でも書いたように、Eペースをしっかりやっておけば心拍数が下がるという効果が得られますので、これより速い4つのペースすべてで恩恵を得られ心肺的な余裕度が上がるので、ジョグでもしっかりと集中していきましょう。
上記全てをクリアしてもサブ3.5達成できない場合
上記各フェーズを練習で全て達成できれば、レース本番ではサブ3.5を達成する確率はかなり高いはずです。それでも本番では何かがうまく噛み合わずに達成できない事もあるかもしれません。そのような場合には、レース本番で何がダメだったのかを客観的に分析しましょう。「根性がなかった」、「気持ちが足りなかった」等の精神論で片付けてしまってはダメで、具体的に対策や練習に落とし込めるレベルで原因を分析することが重要です。
このあたりになると、レース後半は前後間隔が空いてくるので、レースでどの集団につくかというのも重要になってきます。
練習例
週間練習パターン
- 月:Eペース走10km(5’30″/km)
- 火:休足
- 水:ポイント練1
- 木:Eペース走10km(5’50″/km)
- 金:休足
- 土:ポイント練2
- 日:Eペース走10km (5’50″/km)
ポイント練
レース4ヶ月前 | 400mレペティション(Rペース) |
レース3ヶ月前 | 1000mインターバル走(Iペース) |
レース2ヶ月前 | 1000mインターバル走(Iペース) 20分テンポ走(Tペース) |
レース1ヶ月前 | 20分テンポ走(Tペース) 30km走(Mペース) |
平均的な練習量としては、週間50km、月間200kmあたりが目安になるかと思いますがもちろん個人差があります。30km走が足りないと思ったら2ヶ月前くらいから始めてもいいかもしれません。
まとめ
- サブ3.5は地味だけど別大のカテゴリ4資格にもなる重要な関門だよ
- ほとんどの人がスピード練習(R or I)を経験することになるフェーズだ
- マラソンペースもキロ5を切って来るのでかなり速いけど、達成感は格別だよ
コメント