【ダニエルズ式】サブ3(3時間切り)練習例・男性編

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目標タイム別練習法
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いよいよ市民ランナーの憧れであるサブ3についてです。今回は男女別に分けて書こうと思います。その男性編です。結局やることはVDOT53.5のペースに練習でどれだけ近づけるか、上回れるか、なので練習の組み立て自体はサブ3.5までと変わらないのですが、男性と女性で各練習ペースの捉え方が異なってくるはずで、そのため別記事とします。世の中に女性向けのサブ3攻略記事って少ないと思いますし、目指す方の絶対数は少なくとも多少の需要はあるかなと。決して記事数稼ぎのためではありません。

ご参考までに女性のサブ3は男性の2時間43分くらいに相当すると思います。

ダニエルズのランニングフォーミュラ第3版ではVDOTの男女比較、年齢比較のテーブルがあるので、そこから換算。 こちらもいずれ記事にしたいと思います。

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サブ3というステータスについて

サブ3は多くの市民ランナーにとって憧れのステータスです。2時間台と3時間台では与える印象が違いますし、世界記録も2時間台ですから、マラソンを知らない人にアピールするのにも見栄えがいいです。大阪マラソンの市民アスリート枠や別大のカテゴリ3など、サブ3達成で大きな大会に出れる機会も増えます。

もっともそんなご褒美がなくともサブ3が最終目標だという市民ランナーは多いと思います。私も当初はここが最終ゴールのつもりだったんですが、気の迷いでさらなる沼に足を踏み入れてしまいました。

ゲームで言えばサブ3は全クリ、そこからは先はエンドゲームで終わりのない泥沼、みたいな感じでしょうか。

私のサブ3体験談は以下ですが、私もこの時期はサブ3達成に燃えていましたね。やったことはインターバルと30km走をやり続けただけなんですが。少しでも多くの方のご参考になれば幸いです。

【過去の振り返り】初サブ3まで【その4】
初サブ3.5から初サブ3までの一番楽しかった頃を一気に振り返ります。

サブ3の難易度

まず難易度について。ランナーズが2015年に行った調査によれば男性は2.9%だったようです。ランニング習慣のある方に絞ればこの数倍はあると思います。

そう言われると簡単そうな気がしてきますが、実際はちょっとブランクのある陸上競技経験者でも失敗するほど難しいです。たまにマラソン大会で高校生や大学生の長距離部員が卒業記念に初フルマラソンを走ったりしていますが、サブ3すら切れなかったという事例はけっこうあると思います。

ただ、 すでにサブ3を達成した方でも、最初の頃はとても自分には無理だと思っていたという方は私を含め大勢いると思います。昔は遠くて現実的に考えられない目標でも、コツコツとマイルストーンをクリアしていけばいつの間にか現実的な目標に見えることもあるので、無理だと決めつけないで少しでも可能性を追い求めて頂きたいですね。

サブ3の平均ペースは4’15″/kmとかなり速く、その辺のママチャリより速いです。そのスピードで42km走るわけですから、高次元のスピードとスタミナが要求されます。

稀にジョギングのみでサブ3いけた(どこかの記事で読んだ)、とか、初マラソンでサブ3でした(筆者の知人に実際いる)、という全く参考にならない人もいますが、そういうバケモノはさらなる高みを目指してもらうとして、陸上競技経験のないほとんどの市民ランナーは地道にスピードから作っていく必要があります。

サブ3のVDOTとその練習ペース 

今までと同様にサブ3の設定をダニエルズ計算機に入れてみましょう。サブ3狙いの方だと、親の顔より見た数字だ、という方も多いのではないでしょうか。

サブ3の練習ペース(VDOT53.5)
Rペース3’27″/km
Iペース3’42″/km
Tペース4’02″/km
Mペース4’16″/km
Eペース4’51″/km-5’09″/km

ダニエルズの練習ペースについての詳細は以下の記事も参考にして下さい。

各ペースの到達度確認と達成のための練習

第一段階:Rペース

まずR(Repetition)ペースから見ていきましょう。3’27″/kmと3分半を切ってきます。私の感覚としてもこれくらいはほしいかなというタイムです。というのも、サブ3を狙う上で難関となるインターバルのペースが3’40″/kmちょっとですので、レペで3分半切れないと必然的にインターバルも難しいです。

もし全然届かないのであれば基礎スピードが足りない可能性が高いです。長距離の練習に入る前に、400m:83″を目標にしたレペティションを繰り返し、スピードを出す体の動かし方を体に染み込ませましょう。

元々スピードがある方には必要ない練習かと思います。私はスピードに自信がなくスタミナ型を自負していましたが、サブ3.5を狙う段階でこのくらいのスピードはギリギリあったと思うので結果的に不要でした。

第二段階: Iペース

次にI(Interval)ペース。 1kmを3’42″/km以内で走って3分休憩を1セットとしてそれを5本できるか試してみましょう。ここまでできるのであれば、サブ3に向けては十分なスピードがあると言えますが、おそらく多くの方がつまずく関門だと思います。このスピードは5000m換算で18分半程度のスピードになりますのでかなり速いです。もし5000mの持ちタイムがあるのであれば18分台は欲しいところですね。

このインターバルができない場合は、5本しっかり揃えられるペースから始めて、何週間か続けてから徐々に設定を上げていきましょう。私が持ちタイム3時間9分のときは3’50″/kmくらいから始めていたと思います。6週間続けても速くならない場合は一つ前のフェーズ(ここではRペース)が十分でない可能性があるので、そこまで戻って短い距離の余裕度を上げる必要があると思います。

スタミナ型の方は特にここが正念場ですが、ここを超えられればサブ3が見えてきます。

第三段階:Tペース

ここからスピードに加えて持久力が問われるフェーズです。T(Threshold)ペース4’02″/kmで20分走りきれるかどうかを試してみましょう。ほぼ5km20分ですね。レースなら走れるという方でも、練習で一人で押していくのではまた勝手が違うので、一人でやりきるのがベストです。

スピードタイプの方で第二段階は超えられてもここで引っかかる場合は、Iペースのインターバル設定を少し上げて3’35″/kmとかでやるのも手です。スピードの天井が上がればそれより遅いペースは相対的に楽になるはずです。

第四段階:Mペース

いよいよ仕上げとなります。サブ3ペースである4’16″/kmで30km走ができるかどうか。スタミナタイプで第二段階を超えた方は、あとは脚作りができればおそらく無難にこなせると思います。

一方、スピードタイプの方にとってはここが正念場。前半は楽に出せるスピードだと思うので力まずにリラックス。補給等もしつつ後半は切り替えて粘りましょう。きつい場合はEペースのジョグ量を増やしてみるのも手かもしれません。

全フェーズと並行してEペースでのジョグ

普段のジョグはE (Easy) ペース4’51″/km-5’09″/kmくらいを目標にしましょう。キロ5分を切ってきましたので、Easyじゃねーよという方がほとんどだと思います。私も2時間40分切った今ですらケアを怠って疲労が溜まっているとこのペースでは走れません。ですがサブ4の記事でも書いたように、Eペースをしっかりやっておけば心拍数が下がるという効果が得られますので、ジョグでもしっかりと集中していきましょう。

上記全てをクリアしてもサブ3達成できない場合

上記各フェーズを練習で全て達成できれば、レース本番ではサブ3を達成する確率はかなり高いはずです。それでも本番では何かがうまく噛み合わずに達成できない事もあるかもしれません。そのような場合には、レース本番で何がダメだったのかを客観的に分析しましょう。「根性がなかった」、「気持ちが足りなかった」等の精神論で片付けてしまってはダメで、具体的に対策や練習に落とし込めるレベルで原因を分析することが重要です。

レースではほぼ確実にサブ3狙いの集団ができますのでそこについていくのも手です。また大会側がサブ3のペーサーを用意してくれるところもありますし、非公式にサブ3ペーサーやるよと目立つ格好をしている人もいると思います。それらのをうまく活用しつつ何としてもサブ3をつかんでください。

練習例

週間練習パターン

  • 月:Eペース走12km(4’50″/km)
  • 火:休足
  • 水:ポイント練1
  • 木:Eペース走12km(5’10″/km)
  • 金:休足
  • 土:ポイント練2
  • 日:Eペース走12km (5’00″/km)

ポイント練(スタミナタイプ)

レース4ヶ月前400mレペティション(83″/400m)
レース3ヶ月前1000mインターバル走(3’45″/km)
レース2ヶ月前1000mインターバル走(3’42″/km)
20分テンポ走(4’02″/km)
レース1ヶ月前20分テンポ走(4’00″/km)
30km走(4’30″/km→4’16″/km)

ポイント練(スピードタイプ)

レース4ヶ月前 1000mインターバル走(3’40″/km)
レース3ヶ月前 1000mインターバル走(3’38″/km)
20分テンポ走(3’58″/km)
レース2ヶ月前 20分テンポ走(3’55″/km)
30km走(4’30″/km→4’20″/km)
レース1ヶ月前30km走(4’20″→4’16″/km)

ポイント練に関してはスタミナタイプの方とスピードタイプの方で取り組み方は当然異なってくるので2通り用意してみました。マラソンは長所が短所を補ってくれないスポーツなので、それぞれ苦手なところを潰すことを重点的にやるべきだと思います。

ちなみに私のサブ3体験例では4ヶ月前からひたすら平日インターバル2回、週末に30km走を繰り返すというアホみたいな練習でしたが、今の知識で練習を組むとするとこんな感じになると思います。

スタミナタイプはレペからじっくり仕上げて行くイメージ、スピードタイプはレペを飛ばして30km走を重点的にやるイメージかと思います。私はどちらかというとスタミナタイプなので、上の方がしっくり来ますね。

平均的な練習量としては、週間60km~80km、月間250km~300km超あたりが目安になるかと思いますがもちろん個人差があります。私はサブ3狙ってた頃は直前数ヶ月は350km走ってましたが、もっと効率的にやれば250kmくらいで十分だと思います。

ダニエルズ式を学んでから月間250km前後で2’40’46″を出せました。

まとめ

  • サブ3は多くの市民ランナーにとって憧れだし、陸上競技経験者でもなめてかかると失敗するよ
  • 高い目標だけど、コツコツとマイルストーンをクリアしていけばかなりの方が到達可能だと思うよ
  • スピードとスタミナが高次元で必要なので、苦手な部分を埋めていったらいいよ

最後になりましたが、この拙い記事で少しでも多くの方のサブ3達成に貢献できたら幸いです。

コメント

  1. 佐久間 より:

    【ダニエルズ式】サブ3(3時間切り)練習例・男性編
    l.第一段階:Rペース
    2.第二段階:lペース
    3.第三段階:Tペース
    4.第四段階:Mペース
    というのが、ダニエルズさんの
    フェーズ1:Eランニング
    フェーズ2:Rトレーニング
    フェーズ3:Iトレーニング
    フェーズ4:Tトレーニング
    とは似て非なる感じです。
    Eランニングは省略して代わりにTトレーニングの後ろにMランニングを入れる、という考えでしょうか?
    Mランニングの期間はどのくらいが推奨でしょうか?