【やる夫と学ぶダニエルズ理論】Tペース【その7】

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やる夫と学ぶダニエルズ理論
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Tペースとは

ダニエルズ先生
ダニエルズ先生

TはThreshold(閾値)の略だ。閾値を刺激するペース、という定義になる

やる夫
やる夫

閾値って何のことだお

やらない夫
やらない夫

一般的に言えばある点を超えるとスイッチが入って急激に反応が進む点、といえばいいかな。ここでは乳酸の閾値:Lactate Thresholdのことですよね

ダニエルズ先生
ダニエルズ先生

そうだ、運動強度を上げていくと血中乳酸濃度が2mmolを超えて3mmolあたりで急に上昇するポイントがある。この変換点が閾値だ。

やる夫
やる夫

Mペースより速いってことかお

ダニエルズ先生
ダニエルズ先生

そうだ、言わば快適なきつさ、と感じるペースだ。終わるのが待ち遠しいペース、とも言える。確かに、比較的速く走ってはいるが、そこそこの時間(練習なら20分~30分)維持できる、というペースだ。

ダニエルズ先生
ダニエルズ先生

レースなら休養をとってピーキングすれば60分間は維持できる。つまりエリート選手ならばちょうどTペースでハーフマラソンが走れるということだ。

フル2時間半のTペース:3’23″/km
フル3時間 のTペース:3’59″/km
フル3時間半のTペース:4’35″/km
フル4時間 のTペース:5’11″/km

Tペースの目的

やる夫
やる夫

いつもの通り、目的を教えてくれお

ダニエルズ先生
ダニエルズ先生

血中の乳酸を除去し十分処理できる濃度に抑える能力を高めるために行う。持久力を向上させるために行うと考えれば良い。

やらない夫
やらない夫

いわゆるバケツ理論で考えるとイメージしやすいですかね。蛇口から水が出ていて、その下に穴の空いたバケツが置いてある

やらない夫
やらない夫

蛇口は解糖系代謝でエネルギー変換効率はいいがものすごく乳酸が出る。下のバケツの穴が酸化系代謝で乳酸をエネルギーに変換するが、運動強度が上がるにつれてどんどん乳酸が溜まる

やる夫
やる夫

なんか難しいお・・・

やらない夫
やらない夫

Tペースのトレーニング効果はこのバケツの穴の大きさを広げる効果、というイメージですかね

Tペースの%vVO2maxによる定義

やる夫
やる夫

%でいうとどれくらいなんだお?

ダニエルズ先生
ダニエルズ先生

86~88%VO2max、88~90%HRmaxだ。

ダニエルズ先生
ダニエルズ先生

これは十分にトレーニングを積んだランナーの場合であるが、そうでないランナーでも80%を超える

やる夫
やる夫

ついに90%まできたお・・・こんなの絶対辛いお・・・

HRmax 190bpmの場合:167bpm~171bpm
HRmax 180bpmの場合:158bpm~162bpm

Tペースでの走り方

ダニエルズ先生
ダニエルズ先生

Tペースには2通りの走り方がある。1つはテンポ走で、もう1つはクルーズインターバルと呼んでいるものだ

やらない夫
やらない夫

どちらも日本ではあまり聞き慣れない言葉ですね

ダニエルズ先生
ダニエルズ先生

そうかもしれない。テンポ走は20分ほど続ける持続的なランニングだ。短い距離のペース走と言ってもいいかもしれない。

ダニエルズ先生
ダニエルズ先生

クルーズインターバルはTペースランニングを短い休息をはさみながら何本か繰り返すことになる

やらない夫
やらない夫

次回出てくるであろうIペースでのインターバルよりもペースは遅く、距離は長く、休足も短いという練習ですね

Tペースランニングの上限

やらない夫
やらない夫

Tペースランニングの上限はどのくらいでしょうか

ダニエルズ先生
ダニエルズ先生

週間走行距離の10%以下が望ましい

やらない夫
やらない夫

週間100km走る選手なら10kmまでですね、わかりやすい

ダニエルズ先生
ダニエルズ先生

1回の練習は20分を勧めている。クルーズインターバルの形で分割するなら30分間は走りたいところだ

Tペースの練習のバリエーション

ダニエルズ先生
ダニエルズ先生

テンポ走に関してよく問題となるのはその持続時間であり、人によっては16kmのテンポ走、60分のテンポ走という言い方をする指導者や選手もいるが、大抵はペースを途中で変えている。私がテンポ走と定義しているものは最初から最後までTペースで走り切る練習である

やる夫
やる夫

クルーズインターバルはどんな距離と休息でやればいいのかお

ダニエルズ先生
ダニエルズ先生

1.6kmの疾走と1分の休憩を5セットや3.2kmの疾走と2分の休憩を3セット、などだ。

ダニエルズ先生
ダニエルズ先生

このほか、マラソンのトレーニングに適した方法もある。Mペースランニング中にTペースを2本入れる練習だ。
例えばMペース12.8km→Tペース1.6km→Mペース6.4km→Tペース1.6km→Mペース1.6kmの24km走だ。

やらない夫
やらない夫

Mペース→Tペースはいけそうですが、Tペース→Mペースがきつそうですね

やる夫
やる夫

他には何か注意点があるのかお

ダニエルズ先生
ダニエルズ先生

私が推奨するクルーズインターバルの運動時間と休息時間の比は5:1だ。
1.6km疾走の場合は1分休息、3.2km疾走の場合は2分休息が適当だろう。

まとめ

ダニエルズ先生
ダニエルズ先生

Tペースランニングは苦手な人も多いと思うが、800mからマラソンまで重要な練習なのでぜひ取り組んでほしい

やらない夫
やらない夫

BU走などもTペース前後で行う場合が多いですかね

やる夫
やる夫

やる夫も苦手だけどがんばってみるお!

ダニエルズ先生
ダニエルズ先生

次回はIペースだ。長距離走のトレーニングで最も重要と言ってもいいインターバルトレーニングだが、このトレーニングほど解釈の幅があるトレーニングもないだろう。

やらない夫
やらない夫

ペースと疾走時間と休息時間の設定が難しいですよね・・・

ダニエルズ先生
ダニエルズ先生

私の定義に従えばその点は迷わなくなるはずだ、しっかり予習しておくように。

つづく・・・

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