Rペースとは
RはRepetitionの略だ。
レペティションって言葉初めて聞いたお
陸上競技経験のない市民ランナーには馴染みがないかもしれませんね
どんな効果があるんだお
無酸素性作業能、スピード、ランニングエコノミーを高めるのが目的だ
あんまりイメージが湧かないお、無酸素性作業能なんてマラソンと関係ない気がしてしまうお
じゃあこんな例えはどうだろう。400mを70″で走る2人がいたとして、1人はリラックスした動きでそのスピードを出せるが、もう1人は力んでいっぱいいっぱいで走っているとしたら、どちらが80″で長い距離を走れるか聞くまでもないだろう?
つまり楽にスピードが出せるようになると、それより遅いスピードで長距離も走れるようになる、ということかお
有酸素運動能はIペースまでで鍛えるとして、RペースはそのIペースまでのスピードを楽に出すためのトレーニング、ということですね
ランニングエコノミーを車に例えるとまさに燃費ですよね
そうだ、少ないエネルギーでスピードを出せる体になるのが重要だ、近年の研究では東アフリカ系の選手は特にランニングエコノミーに優れていることがわかっている。
Rペースの%vVO2maxによる定義
無酸素性作業能ということは、VO2max100%よりも速くはしるのかお?
%VO2maxの表現では、105~120%VO2max、100%HRmaxとなる。HRmaxは意味がないがこのスピードで走ると100%まですぐに達してしまうという意味にすぎない。
VO2maxが100%超えるとかよくわからんお、そんなことありえるのかお
VO2maxは有酸素系エネルギー供給系の最大値と考えてもらえればよい。それを超えても無酸素系エネルギー供給系から借りを作ることでその上限を超えた運動が可能だ
超えた分は酸素負債と言われる。運動後に激しく息切れするのは、その借りを返すために大量の酸素が必要なためだ。400mの選手などはこの酸素借能力が特に優れている。
体の負荷がすごそうだお・・・
代表的なタイムにおけるRペース
フル2時間半のRペース | 2’52″/km, 69″/400m |
フル3時間の Rペース | 3’25″/km, 82″/400m |
フル3時間半のRペース | 3’58″/km, 95″/400m |
フル4時間 のRペース | 4’31″/km, 108″/400m |
Rペースでの走り方
それでどんな走り方がいいのかお?
基本的には400mの疾走と休息の繰り返しだ。例えば(400m 70″、休息3分)x10といった具合だ
特に大事なのは十分に体を回復させ、正しい走動作で速く走ることだ。スピードを上げたときにもがき苦しむのは避けたい。フォームが崩れてしまうからだ。
VO2maxインターバルでは確か40秒前後でしかたら、それよりは大分休息が長いですね。2分とかにはしないんですか?
休息3分と休息2分、どちらが良くない練習かと問われたら、私なら2分の方が良くないと答える。
練習の目的をよく考えてみてほしい。スピードを磨き、よい走動作を保ちつつ速く走ることだったはずだ。
休息が短いと正しい動きで70秒のペースを保つことができないかもしれない、ということですか?
そうだ、もがき苦しんだのでは練習の目的は達成できないのだ
どれくらい休息とればいいんだお
疾走時間の2~3倍がいいだろう。400m 70秒なら2分半~3分半くらいだ。
走行距離毎の練習例
週間48kmまで | (200m・ジョグ200m)x8 |
週間64kmまで | (400m・ジョグ400m)x6 |
週間80kmまで | (400m・ジョグ400m)x8 |
週間96kmまで | (400m・ジョグ400m)x10 |
週間120kmまで | (400m・ジョグ400m)x8、(200m・ジョグ200m)x8 |
Rペースの上限
週間練習量の上限はどれくらいになるんだお
8kmか週間走行距離の5%の短い方がいいだろう。
週間100kmなら5kmまでということですね。
他には疾走時間は2分を超えないというルールも設けている。ほとんどのランナーにとってレペティショントレーニングの疾走距離は200m~600mとなるだろう。ただレースではマイル(1.6km)までRペースで走れるはずだ。
まとめ
これでE・M・T・I・Rの5つのペースとその練習方法についてわかったお
次章ではついにVDOTについて解説する。なぜあのVDOTテーブルや計算式が導き出されるのか、その導出方法についても解説する予定だから、楽しみにしておくように。
つづく・・・
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