Mペースとは

MはMarathonの頭文字だ。その名の通り、マラソンレースの設定ペースで走るトレーニングのことである。

でもマラソン走ったことないとどのくらいが適切なペースかわからないお

それはもっともだ。そのようなときでもやはりVDOT一覧表が役に立つ。

VDOT一覧表は様々な距離のレースパフォーマンスとの相関と、それに相当するマラソンのタイムを示したものである。適切なMペースを予測するには最近のレースの中でも比較的距離が長いレースの結果を用いるのが良い

1500mのレースタイムよりもハーフマラソンのタイムで予測するほうがよいということですね
Mペースの%vVO2maxによる定義

Eペースみたいに%VO2maxとか%HRmaxの定義はないのかお?

VO2maxの75~84%、HRmaxの80~89%が定義だ。

vVO2maxに対してこの%だとフルマラソンの距離(時間)が走りきれる、という定義なんですね
Mペースによる練習量の上限

Eペースみたいに上限はあるのかお?

週で110分か29kmのどちらか短い方にすべきだろう。MペースにEペースやTペースを織り交ぜる練習も良い方法だと思う。これならMペースで走る合計時間は持続的なMランニングを1回行うよりも短くなるだろう。
・EペースとMペースを組み合わせる例
E60分、M50分、E10分
・EペースとMペースとTペースを組み合わせる例
E15分、M50分、T5分、M20分、T5分、E30分

1回の走行距離に対する週間走行距離の割合みたいなのはあるのでしょうか。Eペースでもそのように上限を設定されていましたが。

週間走行距離の20%か29kmの短い方が良いだろう。

週間走行距離が100kmだと20kmまでにしておいたほうがいいのですね
Mペースの目的

ところでまだMペースの目的を聞いていなかったお。例の「この練習の目的は何か?」についての回答をもらっていないお。

マラソンを目指しているランナーにとって、実際のレースペースに慣れることが一番大きい。そしてそのペースで給水をとるなど技術的な練習にも必要だ。

生理学的な効果はどうなんでしょうか?

それはEペースと変わらない。心血管系の強化と毛細血管の新生だ。

ということは市民ランナー界では、Mペースの30km走がいわばレース前の儀式のように頻繁に行われていますが、このペースでやる必要はないと?

本番前に自信がつけられる、という心理面が最大の効果だろう。トップランナーの練習を見ても、本番のペースで30km走、40km走をやることはまずない
まとめ

ロング走はMペースにこだわり過ぎない方がよいというのは収穫だお、毎週のようにMペースの30km走とか嫌になるお

本番前に1回はやっておきたいですけどね

ランナーというものはきつい練習のほうが効果があるはずだ、とどうしても思い込んでしまいがちだが、その命題は決して真ではないことは常に頭に入れておくべきだ

次回はTペース。800mからマラソンまで重要なペースなので予習しておくように。
つづく・・・
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