やる夫と学ぶダニエルズ理論【その12:5km~10km】

やる夫と学ぶダニエルズ理論
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ダニエルズ先生
ダニエルズ先生
 

さて、前回まででトレーニングの期分けについて基礎的な部分については説明した

やる夫
やる夫

フェーズⅠ~Ⅳに分けてE→R→I→Tと速い方から遅い方の刺激を増やしていくやり方だったお

ダニエルズ先生
ダニエルズ先生
 

今回は5km~10kmまでのトレーニングについて紹介していく

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5km~10kmレースの特徴

やらない夫
やらない夫

5kmと10kmって近いようでけっこう走り方が違うような気がするのですが・・・

ダニエルズ先生
ダニエルズ先生

そのように感じるのももっともだ。5kmは95~98 %VO2maxで走れるのに対して、一般の市民ランナーでは30分以上かかるであろう10kmは90~94%VO2maxでしか走れない

やる夫
やる夫

Iペースの最大持続時間はたしか11分だったから、5kmだとIペースに近いけどそれよりやや遅めになるのかお?

ダニエルズ先生
ダニエルズ先生

その通りだ。

やらない夫
やらない夫

10kmの方は普通はTペースよりやや速めになりますね。Tペースは最大で60分程度走れるスピードということでしたから、キロ6分がTペースの方はちょうどTペースで10kmを走ることになります。

ダニエルズ先生
ダニエルズ先生

うむ。2人ともよく復習しておる。

ダニエルズ先生
ダニエルズ先生

このように5kmと10kmの走り方は違うが、似ている部分もある。

やる夫
やる夫

5kmは3km以降、10kmは6km以降がきつい感じだお

ダニエルズ先生
ダニエルズ先生

そうだ、レースの2/3あたりの一番きつい地点でどれだけペースを維持できるかがこの距離をうまく走るコツの1つだろう

やらない夫
やらない夫

この距離で必要な能力はどのようなものでしょうか?

ダニエルズ先生
ダニエルズ先生

VO2max、ランニングエコノミー、LTをバランス良く織り交ぜることが重要だが、人によっては1つに集中したほうがうまくいく場合もあるだろう

やる夫
やる夫

バランスも重要だけど、特化したほうがいい人もいるってことかお

ダニエルズ先生
ダニエルズ先生

以前、ランニングエコノミーの個人差を説明するときに用いた速度とVO2の関係グラフを思い出してほしいが、あのように個人差が生まれるのはそもそもの生理学的能力に差があるか、あるトレーニングを重視した結果かの2通りが考えられるだろう。

ダニエルズ先生
ダニエルズ先生

ただ、どちらにせよ、各タイプのトレーニングは必ずプログラムに組み入れ、おざなりにしているトレーニングタイプが決して内容にしなければならない

やる夫
やる夫

なんとなくこの距離の特徴がわかってきたので各フェーズの考え方も教えてほしいお

フェーズⅠ

ダニエルズ先生
ダニエルズ先生

すでに基礎ができている場合はこのフェーズは飛ばして構わない

ダニエルズ先生
ダニエルズ先生

しかし、トレーニングを中断していた場合などはこのフェーズを4~6週間取り組むべきだろう

やる夫
やる夫

どれくらい走ればいいのかお?

ダニエルズ先生
ダニエルズ先生

自分で妥当だと思う1週間の走行距離を決めたらその距離を変えずに3~4週間その距離を守り、その後伸ばしていく

やらない夫
やらない夫

どれくらい伸ばせばいいんでしょう?

ダニエルズ先生
ダニエルズ先生

練習1回につき1.6kmがいいだろう。週に5回練習しているなら、週8kmだ。3~4週間継続したらまた増やしても良い

やる夫
やる夫

一度に一気に量を増やしたら故障するからこのような制限をかけているのかお?

ダニエルズ先生
ダニエルズ先生

そうだ。故障耐性を高めるフェーズなので、練習量の増加は慎重に行うべきだ

やる夫
やる夫

1回の最高距離はどれくらいがいいのかお?

ダニエルズ先生
ダニエルズ先生

週1回はLランニングを取り入れるのもよい。最大でも週間走行距離の30%までだ。

やらない夫
やらない夫

週間100km走るならLランニング1回で30kmまでということですね

ダニエルズ先生
ダニエルズ先生

あとはウィンドスプリントも8~10本、週3~4回取り入れるのもいいだろう。フェーズⅡの準備になる。

フェーズⅡ

やる夫
やる夫

フェーズⅡではRランニングが新たに加わるお

ダニエルズ先生
ダニエルズ先生

Rペースの練習は週間走行距離の5%までにしよう

ダニエルズ先生
ダニエルズ先生

ペースは直近のレースのVDOTから設定するか、1500mのレースタイムを控えめに予想してそのペースで走るのもいいだろう

フェーズⅢ

やる夫
やる夫

Iペースでのインターバルが新たに加わるお

ダニエルズ先生
ダニエルズ先生

5kmと10kmには最も必要なトレーニングだろう

ダニエルズ先生
ダニエルズ先生

とても楽とは言えない練習だが、1回の練習で走るIペースの距離は週間走行距離の8%までにし、10kmも超えてはならない

やらない夫
やらない夫

負荷の高いペースですので、故障には十分気をつけたいですね

ダニエルズ先生
ダニエルズ先生

Iトレーニングを週2回行えば、1週間の練習としては十分だろう

ダニエルズ先生
ダニエルズ先生

ペースは直近のVDOTで決めるか、フェーズⅡで行っていたRペースより400mあたり6~8秒遅いペースがいいだろう

やらない夫
やらない夫

Rペースが72秒なら78~80秒というところですね

フェーズⅣ

やる夫
やる夫

Tペース中心のフェーズだお

ダニエルズ先生
ダニエルズ先生

試合も近いのでフェーズⅢよりもきつくしない方がいいだろう。Tペースにフォーカスが移るが、Iペース、Rペースも時折追加する必要がある

やらない夫
やらない夫

本命レース前に調整レースを入れる場合はどうしましょうか

ダニエルズ先生
ダニエルズ先生

レース前の2日か3日はEデーに設定し、ポイント練(Qトレーニングは)1回省略しよう

ダニエルズ先生
ダニエルズ先生

レース後もレース距離3kmにつきEデーを1日入れたい

やらない夫
やらない夫

10kmレースならEデー3日で回復を図るのですね

具体的なトレーニングプログラム例

ダニエルズ先生
ダニエルズ先生

週間走行距離64~80kmのランナー向けと、97~112kmのランナー向けの2種類を用意した。これに当てはまらないランナーもこのプログラムから各自調整してほしい

週間64km~80kmのトレーニングプログラム例

フェーズⅡ

曜日Q練習内容
Q1Lランニング(週間走行距離の25%か120分間走の短い方)
Eデー、WS x10
Q2E3.2km
[(R200m・ジョグ200m)x8]x2(セット間ジョグ800m)
E3.2km
Eデー、WSx8
Eデー
Q3E3.2km
(R200m・ジョグ200m)x4
(T1.6km・休息1分)x2
(R200m・ジョグ200m)x4
E3.2km
Eデー、WSx8

フェーズⅢ

曜日Q練習内容
Q1Lランニング(週間走行距離の25%か120分間走の短い方)
Eデー、WS x10
Eデー
Q2E3.2km
(I1.2km・ジョグ3分)x4
E3.2km
Q3E3.2km
(T1.6km・休息1分)x4
E3.2km
Eデー、WS x8
Eデー、WS x8

フェーズⅣ

曜日Q練習内容
Q1Lランニング(週間走行距離の25%か120分間走の短い方)
Eデー、WS x6
Q2T4.8km、E3.2km
Eデー
Eデー
Q3(I1.2km・ジョグ3分)x5、E1.6km
Eデー

週間97km~112kmのトレーニングプログラム例

フェーズⅡ

曜日Q練習内容
Q1Lランニング(週間走行距離の25%か120分間走の短い方)
Eデー、WS x10
Q2E3.2km
(R200m・ジョグ200m)x4
(R400m・ジョグ400m)x6
(R200m・ジョグ200m)x4
E4.8km
Eデー、WSx8
Eデー
Q3E3.2km
(R200m・ジョグ200m)x4
(T1.6km・休息1分)x4
(R200m・ジョグ200m)x4
E3.2km
Eデー、WSx8

フェーズⅢ

曜日Q練習内容
Q1Lランニング(週間走行距離の25%か120分間走の短い方)
Eデー、WS x10
Eデー
Q2E3.2km
(I1.2km・ジョグ3分)x6
E4.8km
Q3E3.2km
(T1.6km・休息1分)x6
E3.2km
Eデー、WS x8
Eデー、WS x6

フェーズⅣ

曜日Q練習内容
Q1Lランニング(週間走行距離の25%か120分間走の短い方)
Eデー、WS x6
Q2(T3.2km ・休息2分)x3、E4.8km
Eデー
Eデー
Q3(H4分・ジョグ3分)x6、E1.6km
Eデー

まとめ

ダニエルズ先生
ダニエルズ先生

5kmと10kmに求められる能力は若干異なるが、両方得意にしている選手も多いように共通点もある

やらない夫
やらない夫

キプチョゲ選手も元々は主に5000mで活躍していた選手でしたね

ダニエルズ先生
ダニエルズ先生

2003年パリ世界陸上5000mのエルゲルージ vs ベケレ vs キプチョゲは歴史に残る1戦だろう。見たことがない人は是非見ておくように

ダニエルズ先生
ダニエルズ先生

次回はマラソンに向けたトレーニングを紹介する

World Champs 5000m Final, Paris, 2003.
A great race between Eluid Kipchoge, Hicham El Guerrouj and Kenenisa Bekele over 5000m. Commentators - Steve Cram and Brendan Foster. BBC Coverage.

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