ハイレ・ゲブレセラシエ選手の練習考察

エリート選手練習考察
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誰得シリーズの4回目。今回はエチオピアの皇帝ハイレ・ゲブレセラシエ選手の練習についてVDOTに基づいた考察をしていきます。

ゲブレセラシエ選手はオリンピックでの金メダル2つ、世界選手権での金メダル4つ、5000m、10000m、ハーフマラソン、フルマラソンの4種目で世界記録を樹立し、世界記録更新回数が合計27回と、歴史上最も成功した長距離選手の1人でしょう。

ベケレ選手などの台頭によりトラックで勝てなくなってからはマラソンに転向し、マラソンでも2度の世界記録を更新。ただ、マラソン選手として全盛期だった北京五輪では、北京市の大気汚染が持病の喘息に悪影響を及ぼす恐れがあるとして10000mでの参加に切り替えました。しかし、実際に北京に来ると澄んだ空を見て「北京市の大気の状況は想像以上によく、(マラソン)欠場を後悔している」と述べたようですね。

その北京五輪マラソンで優勝したのはみなさんご存知の都大路が生んだ金メダリスト、サムエル・ワンジル選手。ワンジル選手とゲブレセラシエ選手の対決も見たかったですね。

引退後は建設会社の社長をしつつ、エチオピア陸連の会長を務めるなど、今でも絶大な人気を誇る国民的英雄のようです。

The Story of Ethiopian Athletics Star Haile Gebrselassie | Legends Live On
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ゲブレセラシエ選手のVDOT

今ではゲブレセラシエ選手の世界記録は全て塗り替えられてしまいましたが、どれも素晴らしい記録です。彼の自己ベストを整理してみましょう。

ゲブレセラシエ選手のPB
1500m3’33″73 (1999)
5000m12’39″36 (1998)
10,000m26’22″75 (1998)
Half Marathon58’55” (2006)
Marathon2:03’59” (2008)

トラックとロードの違いを考慮する必要はあると思いますが、このうち一番VDOTが高いのは5000mと10000mでどちらもVDOT84.8です。

VDOT84.8の等価タイム
マラソン2:01’20”
ハーフ57’55”
10km26’21”
5km12’39”

ゲブレセラシエ選手の全盛期にヴェイパーを履いていればフルとハーフでもこれくらいの記録が出た可能性はあるでしょうね。どちらも現世界記録を上回っています。

ゲブレセラシエ選手の週間練習例

ゲブレセラシエ選手の週間練習例
AMPM
ファルトレク60分/17km(3’31″/km)リカバリ50分/12km(4’10″/km)
Easyラン70分/18km(3’53″/km)Easyラン10km+100m x10
Moderateラン48分/15km(3’12″/km)レスト
Easyラン80分/20km(4’00″/km)Easyラン+ウェイトトレーニング60分
75分/18km(4’10″/km)Easyラン10km+100m x10
トラックセッション
2000m x6(2’50″/km)
リカバリ43分/10km(4’18″/km)
ロングラン90分/25km(3’36″/km)レスト

週間~190km:月間800km前後

出典: https://runningscience.co.za/elite-athletes-training-log/haile-gebrselassie/

まず練習の大部分を占めるEasyランニングはキロ4前後と、キプチョゲ選手と同じくらいですね。高地補正を入れると3’50″/kmを切るくらいの心肺負荷でしょうか。 ロングランはそれよりもやや速めにやっていますが、Mペースよりはかなり遅いです。

太字の部分がQトレーニングだと思われます。多くのエリート選手と同様に中1~2日で週3回サイクルです。

Qトレーニングは、東アフリカ系選手が好むファルトレクが月曜日、Mペースに近いModerateランが水曜日、土曜にメインのトラックセッションという流れですね。トラックセッションでは他にも

  • 2000m x5(64~65/400m=10000mのペース)
  • 1000m x8-10(2’28″/km、3分レスト)→5000mペースよりやや速め
  • 2000m x3 (5’05″、3分レスト)

なども行っていたようです。一番上がLT系、下2つはVO2max系のインターバルだと思われます。特に1000mのインターバルはダニエルズ式のVO2maxインターバルとペース設定、レスト、本数ともほぼ同じですね。

日曜に行っているロングランが25kmということで、おそらくこの練習はマラソン転向前の練習だと思われます。

他にはスプリント系の補強トレーニングもかなり重視していたようで、火金に行っていた100×10がそれですね。プライオメトリックトレーニングやドリル等も入念にやっていたようです。これらがトラックラストの爆発力を生んでいたんでしょうね。

マラソン転向後は、トレッドミル等も練習に取り入れていたようです。ハーフ60分ペースでのテンポ走などをトレッドミルで行っていたとか。これはまさにLTトレーニングですね。

参考までにゲブレセラシエ選手のVDOT84.8の練習ペースです。

VDOT84.8の練習ペース
Eペース3’20”-3’41″/km
Mペース2’53″/km
Tペース2’46″/km
Iペース2’33″/km
Rペース2’18″/km

まとめ

  • ゲブレセラシエ選手は長距離界の歴史に残るレジェンドだよ
  • VO2maxインターバルはダニエルズ式とかなり近いやり方でやっているように思えるよ
  • スプリント系などのトレーニングも重視してランニングエコノミーやラストの爆発力を鍛えていたよ
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ごっきー
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