キプチョゲ先生がベルリンマラソン2018で世界記録を出すまでの練習は以前まとめました。
今回はINEOS1:59でサブ2を達成するまでの練習について、以下の記事で紹介されていたので考察していこうと思います。
Eliud Kipchoge - A Typical Week of Training - Preparing For A Sub 2 Hour Marathon
Here we take a look at a typical week of training for Eliud Kipchoge preparing to break 2 hours for the Marathon. Don't try this at home!
INEOS1:59前の練習
キプチョゲ先生の練習はここ5年ほどあまり変わっていないようです。INEOSが公開したドキュメンタリーでキプチョゲ先生のコーチであるパトリック・サング氏がトレーニング全体の流れについて解説しています。
それをまとめると以下のようになります。
曜日 | AM | PM |
---|---|---|
月 | Easy-Moderate 16-21km | Easy 8-12km |
火 | トラックセッション | レスト |
水 | Easy to Moderate 16-21km | Easy 8-12km |
木 | ロングランセッション | レスト |
金 | Easy to Moderate 16-21km | Easy 8-12km |
土 | ファルトレクセッション | レスト |
日 | Easy to Moderate 18-22km | レスト |
以下では各ポイント練習をブレイクダウンしていきます。
トラックセッション
主に2種類のトレーニングを行っていますが、これらはベルリンマラソン前とほとんど変わらないようです。
マラソンペース(2’55″/km前後)で合計15km
- 1km x15本(2’50″~2’55″、90秒レスト)
- 1200m x12本(3’24″~3’30″、90秒レスト)
- {2km(5’40”-5’50”)+ 1km(2’50”-2’55”)} x5セット
Mペースのインターバルで負荷は低いと思われるかもしれませんが、ダートなのと高地なのを考えるとTペース付近の負荷があると考えられます。
マラソンペースより速いペースで合計10-15km
- 800m x12(2’10”, 90秒 rest), 400m x10(62″, 90秒 rest)
- 1200m(3’25”)-jog-1km x5(2’55”, 90秒 rest)-jog-300m x3(42″-40″, 60秒 rest)-jog-200m x2(27″, 60秒 rest)
- 400m x20 in 64-65秒 (50秒 rest)
こちらはIペース付近の負荷ですね。
ロングランセッション
30kmと40kmのロングランを隔週で交互に行っています。朝6時10分から走り始め、最初の3kmはキロ5くらいのウォームアップ。3km過ぎたら一気にペースを上げて3’00”-3’25″/km付近になるようです。走路は90%が起伏があり、平坦なのは10%程度。平地でキロ3程度の負荷ですね。
これだけでも速いですが、高地なのを考えるとフラットな路面でも高地では10-15秒は遅くなることを考えると心肺的な負荷はMペースかそれ以上だと考えられ、かなりハードな練習だと思います。
ファルトレクセッション
いろんなバリエーションがあるようですが、ほとんどは以下のパターンのようです。
- 10分疾走、 2分レスト x4か5
- 8分疾走、 2分レスト x6
- 6分疾走、 2分レスト x8
- 4分疾走、2分レスト x10
- 3分疾走、1分レスト x 13
- 2分疾走、1分レスト x17~20
- 1分疾走、1分レスト x25~30
このうち、10分、3分、1分のパターンでやられることが多いみたいです。また、ウォームアップも5分~10分程度とかなり短いようです。
まとめ
- キプチョゲ先生の練習は完成されているのでINEOS1:59でサブ2を達成する前と、ベルリンマラソン2018で世界記録を出す前の練習はほとんど差がないように見えるよ
- トラックセッションではLTとVO2maxをバランス良く鍛えているよ
- ロングランの生理学的負荷も高地と路面補正でMペースかそれ以上なのでかなり質が高いよ
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