今年のマラソン界の大きな出来事として、ブリジッド・コスゲイ選手の女子マラソン世界記録更新(2:14’04″)がありました。キプチョゲ選手がINEOS1:59でサブ2を達成した直後ということもあり注目度が落ちてしまったと思いますが、ポーラ・ラドクリフ選手の記録を16年ぶりに更新ということで、陸上界においては今年最大のビッグニュースと言っても良いと思います。
そんなコスゲイ選手ですが普段はどのような練習をしているのか気になりますよね。彼女の練習について海外サイトに記事があったので紹介します。
コスゲイ選手の経歴
コスゲイ選手はトラックでの実績はほぼなく、プロのキャリアの最初からマラソンを走り始めたようです。初マラソンはポルトマラソンで2時間47分台でしたが優勝しています。1年後のリスボンマラソンで2時間24分で走り、さらにシカゴマラソン2017で2時間20分台で走っています。
その1ヶ月半後にホノルルマラソンで2時間22分という、従来のコースレコードを5分以上上回る記録で優勝しており、この時点でコスゲイ選手が史上最高のマラソンランナーになる可能性を秘めていることは明らかでした。
その後もシカゴマラソン2018、ロンドンマラソン2019でも優勝してWMMを連勝しており、世界トップ選手として認知されるようになりました。そしてシカゴマラソン2019で世界新記録を樹立しました。
また非公認のグレートノースラン(ハーフマラソン)で64’28″という非公認世界記録も出しています。また10kmロードでも29’54″の記録があります。
さらにキャリアで9回のマラソンを走っていますが、そのうち8回がトップ2以内と驚異的な安定感も誇っています。
コスゲイ選手の練習
練習拠点は海抜3000m以上のケニアのカプサイトというところのようです。
コスゲイ選手の練習の特徴は以下の通り。
- 草の斜面での400m x50(レストは不明だが斜面なので毎回同じ距離を戻るはず)
- キロ4分前後で40~45kmのロングラン
- キロ3分で3km x4(平坦)
- キロ3分20秒で18kmのテンポラン(起伏あり)
質・量ともとんでもないですね。海抜0mでも日本のトップ女子選手がこなすのはきつそうですが、それを海抜3000mで行っているわけですから、とんでもない練習だと思います。
またトラック練習はほとんどやらないそうです。たまに行ったトラック練習の例では1000m x9を2’58″→2’52″でこなしたのだとか。高地なのを考えると箱根を目指しているような日本の男子大学生でも厳しい練習な気がします。箱根中堅校のレギュラークラスでようやくこなせるかどうかという感じでしょうか。
コスゲイ選手の走り
極端なヒールストライクのようです。蹴り上げもめっちゃ高いですね。
コスゲイ選手の今後
コスゲイ選手のランニングスタイルはまだ完全ではないと評価されることもあります。特に上半身と腕のスイングは理想とは程遠い(※専門家の意見)ようですが、心血管系とバネは抜群のようです。
コスゲイ選手は世界記録達成後に女子選手のマラソンサブ10も可能と言ったようですが、今後はその目標に向けてトレーニングを積んで世界記録更新を狙っていくことでしょう。シカゴマラソンではずっと男子のペーサーが2人ついていたのでその点を考慮する必要はありますが、おそらくINEOS1:59のようなサポートをすれば現段階でもサブ10に限りなく近づける気がします。
まとめ
- コスゲイ選手はトラックの実績がないけけど、初マラソンから4年で世界記録にたどり着いたよ
- トラック練習はほとんどやらなくて、高地のうえ起伏の激しい走路でほとんどのトレーニングしているよ
- 箱根を走る男子大学生のようなレベルなので、東京マラソンに出たら箱根の有名選手をぶち抜く姿が見れるかもしれないよ
コメント
スピード向上に坂練を積極的に取り入れようと思っていたところにこの記事だったのでタイムリーでした。
ヒールストライクでも上半身が乗り込んで行けて真下に近いところにあれば着地は関係ないという良いですね、世間の情報から無理やりフォアにして怪我している人も多いので無理をする必要はないってことでしょうね、、、。
コメントありがとうございます。坂がある環境なら効果的だと思います。さすがに400m x50本は鬼畜だと思いますが・・・
フットストライクについてはおっしゃる通りで、接地位置のが重要だと思いますから無理に変える必要はないと思いますね。