記録志向の市民ランナーの方で今は順調に記録が伸びていても、いつかは年齢による衰えを感じ自己ベストが狙えなくなる日が必ずやってきます。
そのような場合にモチベーションを維持できず走ること自体を止めてしまう人もいるでしょうし、ファンランに移行する人もいるでしょう。それ以外にもいろいろな選択肢があると思います。
このように年齢による衰えを感じる方でもモチベーションが維持できるように、ほとんどの大会では年齢別のカテゴリ表彰があります。毎年ランナーズが発表している1歳刻みのマラソンランキングも、そのようなモチベーションの維持に一役買っていることと思います。
以前、VDOTによる男女年齢差を超えた比較についての記事を書きましたが、パフォーマンス指標であるVDOTのそのカテゴリ内でのレベルという形で比較する手法でした。
同じような比較として、海外では有名と思われるAge Gradeという指標があるので、その紹介をしようと思います。
Age Gradeとは
各年齢ごとの標準記録(Age-Standard、ほぼその年齢の世界最高記録)を100%として自分の記録がその何%に当たるかを示す指標です。WMA:World Masters Athleticsのガイドラインによれば、この数値は以下のように評価されるようです。
例えば、私の5000mの記録で計算するとこんな感じです。
まぁ地方クラスですね。行けて県止まりということでしょう。各項目について見ていきます。
ちなみにAge-Standard(年齢別標準記録)は、各レース距離のマスターズ世界記録を数理モデル化して算出されます。下図のグラフの赤い点が実際の世界記録、赤い実線が数理モデル化した標準記録です。
この数理モデルに関しては、以下のように区間に応じて1次式と2次式の簡単な数式で表現しているようです。
Open-Classの年齢(c<x<d)では1固定、その前後(x<c or d<x)は2次式、そこから少し離れる(x<b or e<x)と1次式、さらに離れると2次式(x<a or f<x)というモデルのようです。40-65くらいまではほぼリニアに記録が低下していくようですが、そこから先は加速度的に低下していく、という感じですかね。このモデルの妥当性はよくわかりません。
詳細は以下のサイトに書かれています。
ちなみに海外の大会では、年代別カテゴリの他に、このAge Gradeでの表彰をしている大会もあるようです。日本でもpark runというイベントで取り入れているようですね。
ただ、あくまで参考値としての比較ですね。この手の比較ではタラレバの仮定が伴うので公平な比較なんてできないでしょうから、なかなか扱いは難しいかもしれません。
Age GradeとAge-Graded-VDOTの比較
Age Gradeの方が加齢の影響は甘めのようです。何とかまだサブ3はできるみたいですが、ここまで走力が落ちるならモチベーション維持できないと思うのでファンランしてると思います。
まとめ
- Age Gradeは年齢別標準記録に対して何%かを表す値で、世代間の比較に使えるよ
- Age Gradeで表彰する大会も少ないけどあるよ
- VDOTの加齢の影響と比較すると、Age Gradeの方が加齢に対して甘めの評価だよ
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