2020年になって半月ちょっとが経過しました。新しい10年区切りの始まりということもあり、新しい気持ちでこの1年臨んでいる方も多いのではないでしょうか。
さてマラソン界にも10年単位(decade)の記録というものにこだわっている人たちがいます。その中でも特に10年単位でサブ3をどれだけ継続できるか、という記録が特にアツいようです。
10年単位での連続サブ3って?
例えば1970年代から1980年代、1990年代、2000年代、2010年代、2020年代の6 Decades 連続でサブ3を達成すると、6DS3(6 Decades Sub 3)と称されます。
初のサブ3が1979年で若かったとしても、そこから最低41年はサブ3できる走力をキープする必要があり、それだけの長期間練習を続けることは驚異的と言えます。
この記録はARRS(Association of Road Racing Statisticians)という世界中のマラソン記録を収集している非営利組織が管理しており、誰でも閲覧できます。いろんな統計情報があってとても興味深いです。
ちなみにこれによればサブ3の最長タイムスパン記録は42年151日らしいです。この方はまだ60歳で現役っぽいのでまだ記録は伸びそうですね。
なお5DS3を達成した人は世界でわずか41人しかいないようです。この中には日本人も1人含まれています。その方は「NHK大河ドラマ いだてん」でも有名な金栗四三氏の弟子の山田敬蔵さんで、1949年22歳で2時間42分で走っていて、1953年にはボストンマラソンで当時世界最高記録と言われた2時間18分台(のちに距離不足が判明)で走っています。その後も走り続け、1980年53歳で2時間49分で走って5DS3達成のようです。
ただこの方でも6DS3は達成できなかったようですね。1990年には63歳でサブ3を狙うチャンスはあったと思いますが、走れていないようです。なお2009年81歳までマラソンを走り続けたようです。
6DS3を狙っている人たち
5DS3を達成した41人のうち、現在でもサブ3を狙える走力がある方は数人いるようです。そのほとんどは1978年か1979年に最初のサブ3を達成しており、現在57歳~65歳。そのうちの1人はなんと女性です。
女性のサブ3の難易度は男性の2時間42~43分くらいに相当するとも言われますから、とんでもない難易度だと思われます。
以下では6DS3を狙っている何人かを以下の記事から引用させてもらって紹介しようと思います。
Joan Benoit Samuelson
まずは唯一の女性から。
この方は1979年に最初のマラソンを2時間35分で走り、2010年に2時間47分で走って5DS3を達成しています。現在は62歳になっており、直近のマラソンは3時間4分と3時間2分でした。
60歳以上の女性では日本の弓削田さんが今シーズン驚異的な記録を連発していますが、それに近い走力だと思われるのでサブ3も十分可能だと思われます。
Bob Schwelm
この方はサブ3にとどまらず6DS2時間40分を達成するかもしれないそうです。2010年50歳で2時間33分で走っているようです。
ちなみにこの記録は特に意図したものではないそうです。まぁこんなマイナーな記録、意識している方が珍しいですよね。
現在60歳、還暦でサブ2時間40分を出している人も稀にいるので出せないことはないでしょう。サブ3ぐらいなら確実だと思われます。
Reno Stirrat
この方は5DS3達成者の中でも最高齢で現在65歳。2010年には55歳で2時間42分で走っています。
2020年に向けて2019年には年間6,000kmほど走り込んだそうです。65歳でのサブ3はとてつもなく難しいでしょうが、55歳時点のポテンシャルを考えたらギリギリいけそうでしょうかね。
筆者は5DS3を達成できるか?
私の初サブ3は2011年26歳。5DS3を達成するには2050年64~5歳でサブ3を達成しなければならず、まず無理でしょう。その前の4DS3すら無理そう。
6DS3を達成するためには突出した才能ももちろん必要ですが、若いうちからマラソンを経験するという要素も重要でしょうね。6DS3を狙う人の中には57歳で狙える人もいるようですから、初サブ3は15~16歳くらい?
そして何よりも重要なのは数十年に渡って楽しく走り続けられるか、これに尽きると思います。
まとめ
- 前人未到の10年単位で6連続サブ3を狙っている人が世界中に何人かいるよ
- そのうちの何人かは確実に6DS3を達成できると思うよ
- 女性1人にも可能性があるので、ぜひ達成してほしいとよ
なお、5DS3達成者のうち何人かが今週末ヒューストンマラソンを走るようで、達成すれば世界初の6DS3達成者となるようです。
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