【ダニエルズ式】5000m17分台を出すための練習例

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目標タイム別練習法
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ダニエルズ式トレーニングによる目標タイム別攻略シリーズ。今回は5000m 17分台の出し方についてまとめます。

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5000m17分台の難易度

5000mを17分台で走るには平均3’36″/kmペース以内で走ることが必要になります。このスピードはギリギリサブ3くらいのランナーでもインターバルで走るのは厳しいペースです。

また、マラソンでサブ40を狙うレベルのランナーのTペースに相当するので、このレベルのランナーでも練習の中でこのスピードで5000mを走るのはしんどいです。

普通の人は適当に練習していてはまずたどり着けない領域で、質の高いスピード練習を継続してこなせなければまず到達できないでしょう。

再びzakiさんのTweetを引用させてもらいますが、陸上部の長距離部員でも18分が切れずに引退する選手もいるようです。

VDOTで見る5000m17分台に必要な能力

5000mギリギリ17分台のVDOTは56.4なのでこのトレーニングペースを求めてみます。

VDOT56.4(5000m:17’58″
Eペース4’39”-5’07″/km
Mペース4’05″/km→2:52’14”
Tペース3’52″/km
Iペース3’33″/km
Rペース3’18″/km

Mペースが2時間52分台に相当しますので、フルマラソンに慣れていてスピード・スタミナが平均的な人であればマラソンサブ3よりも5000m17分台の方が難しいはずです。

マラソンサブ3との比較は以下の記事も参考にしてみてください。

話を戻して以下ではそれぞれのペースについて見ていきます。

Eペース:心血管系の能力向上

全ての基礎となる練習です。Eペース走で有酸素運動能の器をしっかりと広げていきましょう。キロ5分を切ってきて上限は4’40″/kmとそれなりに速いペースですが、しっかり心拍数を意識して心血管系の能力を向上させていきます。

毎日このペースで走るのはしんどいと思うので、疲労が溜まっていればキロ5を超えるペースまで落とすことも必要です。

また、5000mがメインだとしても週に1回は25km程度のEペースロングランを推奨します。

その理由ですが、長い距離を走ることで心血管系に長時間負荷をかけて心血管系の能力の向上を促します。体への変化としては心拍数の低下として観測できると思います。

2010年代にトラック競技を支配したモー・ファラー選手もトラックがメインでもロング走を取り入れていました。

Rペース:ランニングエコノミー、無酸素運動能

Rペース目安が3’18″/kmですので、1km 3’20″/kmを切って走れるスピードが必要です。まずはこのスピードが出せるまで400mなどのレペティションを繰り返してランニングエコノミーと無酸素運動能を向上させていきましょう。

400mだと79″なので、このペースでのレペティション400m x12本などがいい練習になります。このスピードは16分台を狙うときのIペースに近いですね。将来的に16分台まで視野に入れる場合は、このスピードでインターバルをやれるように基礎スピードをしっかり上げておきましょう。

Iペース:有酸素運動能の上限(VO2max)

有酸素運動能の範囲でのスピード上限を上げていきます。5000mではこのIペースがレース本番ペースに近いので、一番重要な練習となります。ペースは3’33″/km目安で1000m~1200mのインターバルが練習の基本となるでしょう。

ほぼ3分半ペースなのでしんどいペースだと思いますが、これがクリアできれば17分台が出る可能性はかなり高いです。

このペースに届かない場合は、最後まで落とさずに走れるペースから入って数週間続けていきましょう。少しずつ成果が見えてくると思うので、徐々に設定を上げていき3’33″/km前後を目指して下さい。

400mなどのショートインターバルをやる場合は疾走速度は1000mと同じでいいので、レストは30″~40″くらいで回すことをオススメします。

Tペース:スピード持久力(LT)

最後にこれまで鍛えてきたスピードを5000m維持するための能力を鍛えていきます。VDOT56.4のTペースは3’52″/kmなのでこのペースでの20分走が基本となります。

17分台を目指す方ならレースならこのスピードは全然問題ないと思いますが、疲労が溜まった状態でこのスピードを出す練習はなかなか気が重いはずです。

練習例

上記の要素を鍛えるための具体的な練習の組み方ですが、ダニエルズ先生の期分けに従うとフェーズⅠはEペースのみ、フェーズⅡはE+R、フェーズⅢはE+R+I、フェーズⅣはE+R+I+Tとなります。Iペースは基礎が十分にできている場合は省略します。

以下はレースまで2ヶ月ほど9週間ある場合を想定し、フェーズⅡ~Ⅳまで各3週間ずつ取り組む例です。

フェーズⅡ(E+R):3週間

曜日ポイント練習練習内容
DAY1Q1:ロングラン4’40″/km x25km
DAY24’50″/km x10km、WS x5
DAY3Q2:レペティション(200m(39″)・ジョグ200m)x8
(400m(79″)・ジョグ400m)x4
DAY44’50″/km x10km 、WSx5
DAY54’50″/km x10km
DAY6Q3:レペティション
+LTインターバル
(200m(39″)・ジョグ200m)x3
(1.6km(3’52″/km)・休息1分)x2
(200m(39″)・ジョグ200m)x3
DAY7休み

フェーズⅢ(Iメイン+E+R+T):3週間

曜日ポイント練習練習内容
DAY1Q1:ロングラン4’40″/km x25km
DAY24’50″/km x10km、WS x5
DAY34’50″/km x10km
DAY4Q2:VO2maxインターバル(1.2km(3’33″/km)・ジョグ3分)x5
DAY5Q3:LTインターバル(1.6km(3’52″/km)・休息1分)x5
DAY64’50″/km x10km、WS x7
DAY7休み

フェーズⅣ(Tメイン+E+R+I):3週間

曜日ポイント練習練習内容
DAY1Q1:ロングラン4’40″/km x25km
DAY24’50″/km x10km、WS x6
DAY3Q2:LTテンポ走3’52″/km x 20分
DAY44’50″/km x10km
DAY54’50″/km x10km
DAY6Q3:VO2maxインターバル(1.2km(3’33″/km)・ジョグ3分)x5
DAY7休み

週75km程度を想定しています。

最終的に目指すペースで記載していますが、いきなりこのペースが無理な場合はできるペースから徐々に上げていきます。VO2maxインターバルの場合は1000mが無理なら400mなどのショートインターバルからやるのもオススメです。この場合、400mのペースは1000mのときと同じか-1″/400mくらいのペースでいいと思います。

なかなかIペースが目標に到達しないなら、Eペース量を増やすのもオススメです。同じペースで走るときの心拍数が下がるはずです。

まとめ

  • 5000m 17分台は陸上部の高校生でも到達できないまま引退する選手もいるレベルだよ
  • 1km全力で3’18″/km前後、3’33″/km前後のVO2maxインターバルが一つの目安だよ
  • テンポ走も3’52″/km付近になるので、練習でもこのペースでしっかり走れるようにしておきたいよ

コメント

  1. oku より:

    つくばマラソン、お疲れ様でした。
    いつも興味深くブログを拝見しております。

    私は今年の春に初めてのサブスリーを達成した後、しばらくランニングから遠ざかっていたのですが、ごっきーさんのブログを拝見し、おそらくですがご年齢が近いことやご家族の構成も似ているであろうことから、ランナーとしての親近感を持っておりました。

    ここ最近は仕事や家庭の事情もあり、なかなかランニングに関する時間を取れないのが悩み所ではあるのですが、ごっきーさんのブログを拝見し、また少し頑張ってみようかな、という気持ちを持つことができました。

    とはいえ今シーズンは、フルマラソンを走る機会がなかなか持てず、まずは5000mの記録更新(私の公式でのベストタイムは18分台です)を目指そう、というタイミングだったため、今回の記事はとても参考になります。

    お忙しいことと存じますが、これからも陰ながら応援させていただきますね。

    ちなみにですが、ごっきーさんの練習時間帯は朝/夜のどちらが多いでしょうか?
    私自身、仕事の都合上どうしても夜に走る機会が多く、練習する時間帯についても参考にさせていただけますと幸いです。

    • ごっきーごっきー より:

      okuさん、コメントありがとうございます。
      私も初サブスリーで一度モチベーションが落ちたのでお気持ちはよくわかります。サブスリーからは先は沼ですしね(笑)
      時間のかかる趣味ですので、特に子育て世代はこんなことしている場合じゃないというのも重々承知してはいますが、年齢の壁もあるので今のうちに記録を出しておきたいという葛藤を抱えています。

      練習は以前は夜でしたが、第二子が生まれて妻が復職してからは子供の寝かしつけまで手がかかるので、朝練に切り替えました。
      土日も基本は朝ですが、許可が出れば近場の練習会などにも参加できています。
      今は通勤時間がほとんどかからない恵まれた環境なので、何とか回っている感じです。