【ダニエルズ式】サブ3(3時間切り)練習例・女性編

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目標タイム別練習法
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サブ3攻略記事の女性編です。私は男ですし女性ランナーの指導をしたこともありませんので、正確な情報は書けないかもしれませんが、周りにサブ3を達成した女性やサブ3を狙っている女性がいるので、女性がサブ3を目指すという事がどういうものかはある程度わかっているつもりです。世の中に女性向けのサブ3攻略記事は探した限りほぼないので需要はないかもしれませんが、誰かの役に立つことを願って私の考えをまとめます。

ご参考までに女性のサブ3は男性の2時間43分くらいに相当すると思います。

ダニエルズのランニングフォーミュラ第3版ではVDOTの男女比較、年齢比較のテーブルがあるので、そこから換算。 こちらもいずれ記事にしたいと思います。

男性向けの記事はこちらから

【ダニエルズ式】サブ3(3時間切り)練習例・男性編
いよいよ市民ランナーの憧れであるサブ3についてです。今回は男女別に分けて書こうと思います。その男性編です。結局やることはVDOT53.5のペースに練習でどれだけ近づけるか、上回れるか、なので練習の組み立て自体はサブ3.5までと変わらないの...
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女性のサブ3の難易度

まず難易度について。ランナーズが2015年に行った調査によれば女性のサブ3達成は全体の0.4%だったようです。正確なデータはないのですが、男性の2時間30分以内が0.2%なので、男性の2時間30分台半ばくらいのパーセンタイルに相当すると思います。

VDOT換算では先述したように男性の2時間42~43分あたり(VDOT 60前後)に相当します。そのIペースが3’21″/kmですので、男性の方がこのペースでインターバルをやるレベルをイメージすると女性のサブ3のレベルがわかるかもしれません。

また、女性は男性よりも皮下脂肪が多く体脂肪率も高いため、脂肪をエネルギーに変える能力が高くスタミナ型の方が多いです。そのため、RペースやIペースはVDOTのテーブルを達成出来なくてもサブ3まで行ける方がかなり見受けられます。なのでスピードが足らなくても悲観することなくサブ3に挑戦していただければと思います。

また、一般的にVO2max(最大酸素摂取量)は男性の方が女性よりも高いことが知られています。VO2maxはどれだけの酸素をエネルギーに変えられるかを測る指標であり、筋力量も影響しますのでどうしても女性の方が低くなります。そのためVO2maxと特に相関の強いIペースを上げるのが大変だと思います。

サブ3のVDOTとその練習ペース 

男性向け記事と同様にVDOT 53.5の各ペースを見ていきましょう。

サブ3の練習ペース(VDOT53.5)
Rペース3’27″/km
Iペース3’42″/km
Tペース4’02″/km
Mペース4’16″/km
Eペース4’51″/km-5’09″/km

ダニエルズの練習ペースについての詳細は以下の記事も参考にして下さい。

各ペースの到達度確認と達成のための練習

第一段階:Rペース

まずR(Repetition)ペースから見ていきましょう。3’27″/kmと3分半を切ってきます。女性にはキツいスピードだと思います。ですが先述の通りここにこだわりすぎる必要はないと思います。悪くても3’35″/km、できれば3’30″/kmを目安にするといいかもしれません。

もし全然届かないのであれば基礎スピードが足りない可能性が高いです。長距離の練習に入る前に、400m:83″を目標にしたレペティションを繰り返し、スピードを出す体の動かし方を体に染み込ませましょう。

第二段階: Iペース

次にI(Interval)ペース。 VDOT的には3’42″/kmですが女性には厳しいスピードだと思います。現実的には3’45″/kmで十分だと思います。ここまでできるのであれば、サブ3に向けては十分なスピードがあると言えますが、おそらくほとんどの方がつまずく関門だと思います。このスピードは5000m換算で18分半程度のスピードになりますのでかなり速いです。

Iペースと相関の高い5000mですができれば18分台は欲しいです。19分台でもサブ3をしている例はかなりあると思いますが、おそらく5000mに向けた練習をあまり積まないで出した記録が多いように思われるので、しっかり5000mにターゲットを絞れば18分台で走れる力がある方がほとんどだと思います。

このインターバルができない場合は、5本しっかり揃えられるペースから始めて、何週間か続けてから徐々に設定を上げていきましょう。6週間続けても速くならない場合は一つ前のフェーズ(ここではRペース)が十分でない可能性があるので、そこまで戻って短い距離の余裕度を上げる必要があると思います。

女性の方は特にここが正念場ですが、ここを超えられればサブ3が見えてきます。

第三段階:Tペース

ここからスピードに加えて持久力が問われるフェーズです。T(Threshold)ペース4’02″/kmで20分走りきれるかどうかを試してみましょう。ほぼ5km20分ですね。レースなら走れるという方でも、練習で一人で押していくのではまた勝手が違うので、一人でやりきるのがベストです。

20分のテンポ走がきつい場合は、クルーズインターバルとして分割してやるのも手ですね。1.6km x4~5本、2km x 3~4本でレスト1分などが目安になるかと思います。

第四段階:Mペース

いよいよ仕上げとなります。サブ3ペースである4’16″/kmで30km走ができるかどうか。マラソンを走り切る脚をつくるため、ここは 男女共通だと思います。

おそらくこの前段階をクリアしていればここで苦労するという例はほぼないのではないかと思いますが、いきなりこのペースがきつい場合は4’30″/kmくらいから徐々に上げて行きましょう。

全フェーズと並行してEペースでのジョグ

普段のジョグはE (Easy) ペース4’51″/km-5’09″/kmくらいを目標にしましょう。キロ5分を切ってきましたので、Easyじゃねーよという方がほとんどだと思います。

サブ4の記事でも書いたように、Eペースをしっかりやっておけば心拍数が下がるという効果が得られますので、ジョグでもしっかりと集中していきましょう。

上記全てをクリアしてもサブ3達成できない場合

上記各フェーズを練習で全て達成できれば、レース本番ではサブ3を達成する確率はかなり高いはずです。それでも本番では何かがうまく噛み合わずに達成できない事もあるかもしれません。そのような場合には、レース本番で何がダメだったのかを客観的に分析しましょう。「根性がなかった」、「気持ちが足りなかった」等の精神論で片付けてしまってはダメで、具体的に対策や練習に落とし込めるレベルで原因を分析することが重要です。

レースではほぼ確実にサブ3狙いの集団ができますのでそこについていくのも手です。また大会側がサブ3のペーサーを用意してくれるところもありますし、非公式にサブ3ペーサーやるよと目立つ格好をしている人もいると思います。それらのをうまく活用しつつ何としてもサブ3をつかんでください。

練習例

  • 月:Eペース走15km(4’50″/km)
  • 火:休足
  • 水:ポイント練1+Eペース走5km(5’10″/km)
  • 木:Eペース走15km(5’10″/km)
  • 金:休足
  • 土:ポイント練2 +Eペース走5km(5’10″/km)
  • 日:Eペース走15km (5’00″/km)

ポイント練習例

レース4ヶ月前400mレペティション(83″/400m)
レース3ヶ月前1000mインターバル走(3’50″/km)
レース2ヶ月前1000mインターバル走(3’45″/km)
20分テンポ走(4’02″/km)
レース1ヶ月前20分テンポ走(4’00″/km)
30km走(4’30″/km→4’16″/km)

女性のポイント練習例は男性のスタミナ型を踏襲していますが、Eペース等の距離は増やしています。

平均的な練習量としては、週間70km~90km、月間300km~400kmあたりが目安になるかと思います。男性よりも大分ハードルは高いのでEペース量を増やしてしっかり心血管系を強化する必要がありますね。

まとめ

  • 女性のサブ3は男性の2時間42分~43分程度に相当するので相当難しいよ
  • 女性は体質的にスタミナ型の場合が多いので、RとかIは到達しなくてもスタミナに自信があれば十分狙えるよ
  • 全体的な走行距離も男性のサブ3例よりは増やした方がスピード強化にも効果的だよ

最後になりましたが、この拙い記事で少しでも多くの女性ランナーのサブ3達成に貢献できたら幸いです。

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