何度か書いてきたように。記録を狙うランナーにとって現状のシューズ選択はNikeのヴェイパーフライほぼ一択です。
競合他社も当然この状況を何とかしたいと思っているはずですが、おそらく特許が強力なのかなかなかヴェイパーを追随するようなシューズが出てこないです。
カーボンプレート入りのシューズとしては、HOKA ONEONEのcarbon Xなどもありますが、重量の差などもあってヴェイパーほどのパフォーマンスは出ないようです。
そんな現在のマラソンシューズ業界ですが、中国メーカーの李寧がヴェイパーフライのコピー品を出してきて一部で話題になりました。
李寧って?
李寧は1989年に中国の元オリンピック体操選手である李寧(Li-Ning:リーニン)氏によって設立されたスポーツ用品メーカーです。中国ではかなりメジャーなブランドのようですが、日本には進出していないのでほぼ無名だと思われます。私もこの件がなければ知りませんでした。
ランニングシューズ以外ではボスケットボールやバドミントンの用具なども手掛けているようです。
飞电って?
飞电はFei-Dian(フェイディアン)と発音するようです。直訳すると”flying power”。まさに飛ぶようなシューズということでしょうか。
価格は2099元。中国でのヴェイパーフライNext%の販売価格と同じようです。最近のレートだと日本円で3万円超えなので、日本から買う場合はヴェイパーより高くつくと思います。
構造を見る限りは完全にヴェイパーフライのコピー品ですね。
ヴェイパーフライNext%と飞电の比較
重さ(27cm)の比較
ヴェイーパーフライNext%:182g
飞电 :177g
なんとヴェイパーよりも軽いですね。
アウトソール、ミッドソールの比較
アウトソールは 飞电 の方がヴェイパーよりも薄いようです。ぱっと見グリップ力が不安になるアウトソールですが使用感はどうなんでしょうか・・・
ミッドソールの厚みもほぼ同じですね。ミッドソールの素材はヴェイパーフライは御存知の通りPebaxベースのZoomXフォームですが、飞电のミッドソールはE-Pebaxという微妙に異なる素材のようです。李寧はこの素材技術に䨻(Beng:ベン)という名前をつけているようです。エネルギーのフィードバック率は80%とのこと。
一応このミッドソールの素材の差でNikeの特許を侵害していないという判断なのでしょうか。
ソース:
剛性の比較
同じ力を加えてみたときの曲がり具合。ヴェイパーの方が硬いようですね。この特性はヴェイパーとは大きく違いそうです。この違いはカーボンの位置やミッドソール素材の違いによるものなのでしょうか。
この比較を見る限りは剛性の高いヴェイパーの方が反発力も高そうですが、そんな単純な話でもないと思うのでこのあたりは実際の使用感を確かめたいところです。
使用感はどうなの?
もっと安価なら私も試してみたかったのですが、残念ながら日本から入手しようとするとヴェイパーよりも高価なのでちょっとネタのために買うのもためらわれます。
と思ったら、このネタを日本に広めてくれたSUSHI MANさんがさっそくレビューしてくれました。
なかなか好感触のようです。
まとめ
- 中国メーカーがヴェイパーのコピー品を出してきたよ
- ミッドソール素材が独自開発のようなので、特許はうまく回避しているのかもね(訴訟されたら最終的には司法判断)
- 使用感は概ね好評のようだよ
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