元世陸銀メダリストによるヴェイパーフライNext%とスパイクの比較

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以前、ヴェイパーフライとスパイクを研究室内の特殊なトレッドミル上で比較した文献を紹介しました。

【論文紹介】ヴェイパーフライ vs スパイク
以前、Nike ヴェイパーフライ 4%は実験室レベルでランニングエコノミーを平均4%改善することを紹介しました。ただヴェイパーフライはロード用に開発されたシューズで、エリート選手においてはトラックレースではスパイク...

この文献では、エリートランナー( 5000m で男性15分前後、女性17分前後)の14~18km/hのランニングエコノミーを複数のシューズで比較しており、ヴェイパーフライ4%はマトゥンボ3(スパイク)と比較して平均2.6%、japan boost 3と比較して平均4.2%改善したという結果でした。

すなわちトラックでもスパイクよりヴェイパーフライの方が速い可能性を示唆しています。

一方、トラックレースでのヴェイパーフライの実績は、ロードレースほどインパクトがあるものは少なく、ロードの記録はほとんどヴェイパーフライで更新されるなかトラックの世界記録がヴェイパーフライによって更新された事例もないです。

そのため実際のトラックでは研究室の環境ほどのパフォーマンス向上はないことが考えられますが、それを検証した例の1つがこちら。

Track Spikes VS. Nike ZoomX Vaporfly Next%

トラック界のブラッド・ピットことニック・シモンズ氏の動画です。

シモンズ氏は元中距離選手で800mのアメリカ代表。2013年モスクワ世陸では銀メダルを獲得しているエリート中のエリートです。引退後はYoutuberとして活動しており、ランニング系Youtuberとしては最高クラスの実績の持ち主でしょう。

そんなシモンズ氏のベストは以下。

種目自己ベスト
400m47’45”
800m1’42″95
1500m3’34″55
マイル3’56″5

800m、1500mは日本記録以上ですね。さすが世陸メダリストです。

上記の動画では100m、400m、マイルをそれぞれブルックスのスパイクとヴェイパーフライNext%で1本ずつ(マイルのみヴェイパーフライで1本のみ、スパイクは別の動画で走ったものとの比較)走ってタイムを比較しています。

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比較結果

100m

ヴェイパーフライNext%13″49
スパイク12″94

スパイクの勝利。

シモンズ氏の感想では100mの速度域だとほぼミッドフットもほぼつかないため、ドロップの大きいスパイクは走りやすいが、ヴェイパーフライではミッドフットのフォームが分厚いため、スムーズに走れないとのこと。

400m

ヴェイパーフライNext%62″35
スパイク59″85

こちらもスパイクの圧勝。

シモンズ氏の解説によれば、400mだとコーナーが4回あり、スパイクではコーナのグリップ力が高いがヴェイパーフライはコーナーでのグリップ力が弱く、このスピード域ではそれが特に影響しているとのこと。

マイル

ヴェイパーフライNext%5’00″35
スパイク4’39”

やはりスパイクの圧勝。

まだこの速度域でもスパイクのグリップ力が重要のようです。

感想

元中距離選手なのでこれ以上の距離はトライしていませんでしたが、このレベルのランナーになるとマイルの距離まではスパイクの方が速いといえそうです。

先述の文献との違いは、曲走路があるかどうかと速度域。

曲走路に関しては速度が上がれば上がるほどグリップ力が必要で、スパイクの重要性が増すだろうと考えられます。

また、論文では時速18km(3’20″/km)までの比較しかしていませんでしたが、シモンズ氏は時速20kmを超える速度域で走っているわけですから、そのスピードでの曲走路の影響まで含めたらスパイクの方が速いと言えそうです。

ちなみに私レベルのへっぽこランナーはおそらく400mでもヴェイパーフライの方が速く走れると思います。ちゃんと測定したことないけど。

なお5000m、10000mについてはわかりませんが、ヴェイパーフライで世界記録に迫るようなタイムで走る選手も出ておらず、スパイクを履いている選手も多いのでスパイクのが有利だと思われます。

これも私のようなへっぽこランナーでは確実にヴェイパーフライの方が速いです。

先日発表されたヴェイパーフライシリーズにインスパイアされた中長距離用スパイク「Nike Air Zoom Victory」によって今後世界記録の更新も見られるかもしれませんね。

Nike Air Zoom Victory
The Nike Air Zoom Victory is part of Nike’s race day footwear offering in summer 2020.

そういえばキッズ向けのシューズで有名なアキレスの「瞬足」ですが、このシューズはアウトソールが左右非対称でコーナーのグリップに特化していて速く走れるのが特徴で、直線では特にメリットはないようですね。

数年前に瞬足を買えない家庭が不公平だから運動会で禁止とかいう都市伝説が流れましたが、現在のスーパーシューズ問題の先駆けだったのかもしれません。

まとめ

  • 研究室レベルではヴェイパーフライの方がスパイクよりもREを改善するという研究結果もあるけど、実際のトラックレースの結果を見てもスパイクの方が速い可能性があるよ
  • シモンズ氏の検証によれば距離が短くスピードが上がるほどヴェイパーのミッドソールの厚みが邪魔になり、コーナーのグリップが弱いなど欠点が出てくるよ
  • 先日発表された「Nike Air Zoom Victory」によって今後世界記録が更新されることもあるかもしれないね
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ごっきー
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コメント

  1. ようすけ より:

    今ではほぼロードレース専門ですが、学生時代に400mを専門種目にしていた私から見れば非常に興味深い内容でした。

    おそらくトラックでも3000m以上の距離になれば差は縮まると思われますが、それでもスパイクに分があるでしょう。

    ヴェイパーフライではなく、デュエルGTZ、クルーズジャパン、エンペラージャパン(MI)、ヒューエルセル5280(NB)といったロードレース用シューズでも特にグリップ力が高いシューズを使用したらマイルまでの距離でスパイクとの差が小さくなったり、スパイクより速いタイムが出るかもしれません。

    • ごっきーごっきー より:

      トラックはラストのスプリント勝負になるほどスパイクが重要ですかね。スプリントが他の選手に比べて劣るようだとラスト勝負は諦めてヴェイパーで脚を残すという選択肢もあるのかなと思います。